10.猫が肥満になってきた際に動物病院へ行く目安
それでは愛猫が太ってきた際、どのような場合には病院に行く必要があり、どのような場合には家庭で対処すればよいのでしょうか。
- 早い受診が必要な場合
- 心配ない場合
それぞれのケースを紹介します。
早い受診が必要な場合
猫の場合も人間と同様に、肥満になると糖尿病、関節炎など、さまざまな病気になるリスクが高まります。
肥満に加え、以下のような様子が見られたら注意が必要です。
- 水をよく飲む
- おしっこの量が多くなる
- おしっこが薄い
- 数日~1ヶ月ほどの短期間でお腹周りが太った(ように見える)
- 元気がない
- 食欲がない
水をよく飲み、おしっこの量が多くなる“多飲多尿”の陰には、糖尿病や腎臓病などの病気が隠れている可能性があります。“多飲多尿”かどうかを見極める基準は、体重1kgあたりの飲水量が60ml以上かどうか、排尿量が40ml以上かどうかです(いずれも1日あたりの量)。いずれも発見が遅れると命にかかわる病気ですので、早期発見、早期治療のためにも、日ごろから飼い猫の水分摂取量、尿の量、状態はよく観察いただければと思います。
また、短期間でお腹周りが膨らんだ場合や、食欲がなく元気がない場合には、緊急性の高い病気にかかっている可能性がありますので、すぐに動物病院を受診ください。
上記の症状が見られない場合にも、重度の肥満は心臓の負担が増えたり、泌尿器系の病気になりやすくなりますので注意しましょう。
心配ない場合
- 直近数ヶ月ほどで徐々に太ってきた
- 太った原因に心当たりがある(おやつをたくさん与えてしまっていたなど)
- ボディ・コンディション・スコア(BCS)が4未満
上記に当てはまる場合は、おやつの内容、量、頻度をふくめた食事内容を見直すことで、家庭で猫にダイエットさせることが可能です。 食事まわりを見直しても痩せない場合には、動物病院に相談してみてください。
11.猫が肥満にならないようにする予防策は?
飼い猫の肥満を事前に予防するために、今日からできる5つの対策を紹介します。
予防策1 人の食べ物を与えない
猫にとって、人の食べ物はカロリーだけでなく、塩分や糖分なども高すぎるものがほとんどです。いくら可愛くおねだりされても、飼い猫の有害になってしまう可能性が高いため、避けた方が良いでしょう。
予防策2 おやつを与えすぎない
おやつは少量でも高カロリーのものがありますので、与える前にしっかり確認を。与えすぎないように適量を守りましょう。
予防策3 食事をグラム単位で正確に量り与える
計量カップで計って食事を与えている場合には要注意! 数グラム単位の違いが、摂取カロリー過剰につながってしまいます。計量器などをつかい、グラム数を正確に量り与えるようにしてください。
予防策4 置き餌をしない
一日で飼い猫がとっている食事量を正確にとれなくなるのでお薦めしません。多めに与えてしまっている可能性があります。
予防策5 楽しく運動できる環境を整える
日々運動不足にならないように、キャットタワーやおもちゃなどを取り入れて、飼い猫が自ら楽しく遊べる環境を整えてあげると良いでしょう。一日5~10分一緒に遊んであげるだけでも、運動不足の解消に役立ちます。
12.まとめ
猫の場合は人と違って運動で痩せることは難しいため、無理に運動量を増やす必要はありません。運動よりもダイエットフードを活用したり、与え方を見直したりというように食事管理を中心にしたダイエットをしましょう。
キャットタワーで上下運動ができる環境を整えたり、飼い主さんが猫じゃらしで遊んであげる時間を作ったり、無理のない範囲で運動ができる工夫をしましょう。
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