7.肥満?痩せ型?体型チェック法
肥満を確認する手法として、ボディコンディションスコア(BCS)という指標があります。BCSの評価は難しいので獣医師につけてもらう方が良いですが、簡易的には以下の箇所をチェックしましょう。
3つのチェックポイント
- 腹部の吊り上がりをみる
- 腰のくびれをみる
- 胸や脇腹を触る
猫の肥満を確認するには、押さえるべき3つのポイントがあります。
腹部の吊り上がりをみる
体を横から見て、腹部の吊り上がり(へこみ具合)を見ます。肋骨が浮いているのは痩せすぎ。腹部のへこみが水平か垂れ下がっているのは太り過ぎです。
腰のくびれをみる
体を上から見て、腰のくびれを見ます。背骨の突起がとんがって見える場合は痩せすぎ。腰にくびれがなかったり、背中が広く平らになっているのは太り過ぎです。
胸や脇腹を触る
胸や脇腹を軽く触ってみます。力を入れずにソフトに触って、肋骨が数えられるくらいが理想的。肋骨や肩甲骨がわからなければ太りすぎです。
タイプ別!見た目と触り心地の違い
BCS1:痩せ
● 見る
横から見ると腹部のへこみは深く、上から見ると極端な砂時計型をしている。
● 触る
助骨が脂肪に覆われておらず、容易に触ることができる。骨格にも容易に触ることができる。
BCS2:やや痩せ
● 見る
腰にくびれがある
● 触る
助骨が極薄い脂肪に覆われており、容易に触ることができる。骨格にも容易に触ることができる。
BCS3:理想的
● 見る
横から見て腹部にへこみがある。
腹部はごく薄い脂肪に覆われ、腰に適度なくびれがある。
● 触る
助骨がわずかな脂肪に覆われており、触ることができる。骨格を触ろうとすると、なだらかな隆起を感じられる。
BCS4:やや肥満
● 見る
腹部は丸みを帯びやや厚い脂肪に覆われ、腰のくびれはほとんどない。
● 触る
助骨が脂肪に覆われ触ることは難しい。骨格もやや厚い脂肪に覆われている。
BCS5:肥満!
● 見る
非常に厚い脂肪に覆われ、腰にくびれはない。
● 触る
助骨が厚い脂肪に覆われ、触ることは非常に難しい。骨格は厚く弾力のある脂肪に覆われている。
8.ダイエットの前にチェックしておきたい2つのこと
愛猫とダイエットにチャレンジする前に、次の2つのことを確認しておきましょう。愛猫の健康に関わる大切な2つのポイントです。
健康チェック
愛猫がキャットフードや運動量を変えていないのに体重が増加する、摂取するカロリーはむしろ減っているという場合は、肥満ではなく腹水などの病気が隠れていることもあります。
ダイエットをしても良い健康状態かどうかを知っておくことも大切です。 事前に動物病院で、健康状態や体重をチェックしてから始めましょう。
減量目安の確認
愛猫の体重の減量は1週間に体重1~2%を上限に。急激な減量は体調を壊すリスクがあるため注意が必要です。
また、脂肪と一緒に筋肉も落ちてしまい、健康的ではありません。体重4kgの愛猫なら、1週間に40~80gを目安に。
9.簡単にできるダイエット方法
方法1 食事の量
普段の食生活で愛猫の摂取カロリーを確認しましょう。どこに原因があるのか把握することがダイエットへの第一歩です。人間の食べ物を与えていないか、おやつをあげすぎていないか、キャットフードの量は適量かを書き出してみてください。
与えすぎの場合は、おやつの量を減らしていきましょう。おやつをやめても体重が減らない場合は、フードの量を見直してみましょう。
方法2 食事の質を変える
主食のドライフードをダイエットフードに切り替えると、かさが増えるので、量を減らしても腹持ちがよくなります。ダイエットフードに切り替えるときは、1週間~10日かけて少しずつ新しいダイエットフードに変えていきましょう。
一気に変えると食べなかったり、下痢をしたりすることがあります。
また、ダイエットフードを与えているからといって、おやつを大量に与えて良いわけではありません。おやつの与えすぎに注意しましょう。
方法3 食事の与え方を変える
フードの与え方を工夫するのも効果的です。
1日分の食事を小分けにして食事回数を増やす、少しずつゆっくり食べさせるよう容器を工夫する、家の中の複数の場所にキャットフードを設置するなど、大量のフードを一気に食べない工夫をしてみましょう。
また、多頭飼いで常にフードを置いている場合は、食事量が把握しにくくなってしまいます。ダイエット中は、フードボウルを出しっぱなしにしないことも重要なポイントです。
方法4 運動
室内だけで生活している猫の場合、体重が減るほどの運動をすることは難しいですが、筋力維持のために可能な範囲で遊んであげましょう。
健康維持のために運動を考える場合は、狩猟本能を刺激する猫じゃらしのようなおもちゃを使ったり、木登り棒やキャットタワーなどタテの動きができるアイテムを取り入れたりすると良いでしょう。
方法5 定期的な体重測定
体重を意識するとダイエット意識が高まります。定期的に愛猫の体重を量って増減を把握しておきましょう。
簡単な方法は、飼い主さんが愛猫を抱いて人間用の体重計に乗り、次に飼い主さんだけが体重計に乗って、その差を出す方法です。この方法の注意点はグラムまで細かく量っておくこと。5kgの猫が100g増えることは50kgの人間だと1kg増えたことに。正確に計りたい場合はペット専用の体重計を用意すると良いでしょう。
品種別の適正体重の目安
猫の品種 | 男の子 | 女の子 |
---|---|---|
アビシニアン | 3.0~5.0Kg | 3.0~5.0Kg |
アメリカン・ショートヘア | 3.0~6.0Kg | 3.0~5.0Kg |
ベンガル | 3.0~6.0Kg | 3.0~5.0Kg |
ブリティッシュ・ショートヘア | 3.0~5.5Kg | 3.0~5.0Kg |
メイン・クーン | 3.5~6.5Kg | 3.0~6.0Kg |
マンチカン | 3.0~6.0Kg | 3.0~6.0Kg |
ノルウェージャン・フォレスト・キャット | 3.5~6.5Kg | 3.5~5.5Kg |
ペルシャ | 3.0~5.5Kg | 3.0~5.0Kg |
ラグドール | 4.0~7.0Kg | 4.0~6.0Kg |
ロシアンブルー | 3.0~5.0Kg | 3.0~5.0Kg |
スコティッシュ・フォールド | 3.0~6.0Kg | 3.0~5.0Kg |
トンキニーズ | 3.0~5.0Kg | 3.0~4.5Kg |