“知らないこと”が武器になる

 それでもhitomiさんはご主人様たちの心の扉を叩き続けました。会釈をしてくれたり挨拶を返してくれたりといった小さな変化を経て、次第に心を開いてくれるようになったといいます。

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“伝説のメイド”が語る、二児の母になっても店に立ち続けるわけ「メイドを文化に」
(画像=『女子SPA!』より引用)

レジェンドメイド、スーパープレミアムメイド、プレミアムメイドなど、メイドにもランクがあるそう。(画像はあっとほぉーむカフェ公式サイトより)

「私の強みを見つけたんです。秋葉原に来る方はアニメが好きな方が多いんですが、私は全くアニメのことを知らない。でも知らないことが私の武器になるんじゃないかと思ったので、ご主人様たちが好きなことを気持ちよくお話できる雰囲気作りに努めました」

駆け抜けたメイドブーム、「萌え〜」が流行語に

 入店から1年、ネット掲示板から生まれた『電車男』が話題になったり、秋葉原のオタクとメイドが注目を浴びる時期と重なったりしたことで、2005年にはユーキャン新語・流行語大賞にメイドカフェの定番フレーズ「萌え〜」がトップテン受賞。店内は一段と賑わいhitomiさんもメディアに引っ張りだこになります。

“伝説のメイド”が語る、二児の母になっても店に立ち続けるわけ「メイドを文化に」
(画像=『女子SPA!』より引用)

「たくさんの方にお店を知っていただける機会も増えて、とても充実した毎日でした。同時にお屋敷でお給仕できる時間が減ってしまった時期でもあったんです。やっとご主人様やお嬢様に受け入れてもらえて楽しくなってきた時期だったのに。中にはテレビで私を見かけて会いに来てくれた方もいらっしゃったのに、自分がその場にいない悔しさがありました」

 しかしこの時期の経験が今もあっとほぉーむカフェに立ちながら、メイド文化の普及に務める現在につながっているといいます。

「いろいろなメディアに出たり、メイドとして他のお仕事をさせていただいたりすることで、メイドの世界観やあっとほぉーむカフェのことを伝えられる。これも立派なメイドのお仕事なんだと知った時期でした」