痩せないのは運動不足が原因?更年期の脂肪を落とす運動
更年期になると、膝や腰が悪くて運動に制限がでて若いときとは違った悩みが生まれるものです。なかなか痩せない原因に、加齢からくる機能的な運動不足があげられます。また、同じ運動をしていても、関節の可動域が狭くなり若い頃に比べて運動効果も低くなるものです。脂肪を効率的に落とす運動は、更年期の体にあった方法がベストです。
更年期の脂肪を落とす運動➀骨盤底筋を鍛える体操
更年期の悩みに、尿漏れやおしっこが近くなる、いきんだあと肛門部が膨らむ、おならが自然にでてしまう、座ってる時足を閉じ続けるのがきつい、下腹がポッコリ、など特有の症状が出てきます。これは骨盤底筋群が衰えている証拠です。放おっておくと、子宮脱や膀胱脱、脱肛になる可能性が大きくなります。
骨盤底筋体操は、直後からウエストが減った、すぐに姿勢がよくなったなど即効性があるため、更年期女性にはモチベーションがあがって継続しやすいのも特徴です。決まった時間に行わなくても、お出かけ前のウエスト引き締めとして取り入れることができるなど、気軽さの上でもおすすめの体操です。継続しないと一時的な効果ですぐに戻りはしますが、なかなか痩せないウエスト周りに効きます。
★骨盤底筋体操
- タオルをくるくる巻いて直径4~5センチ、長さ20センチ程度のポールを作ります。
- いすの上に置いてタオルポールの上に座面に対して垂直になるように座ります。背もたれにつかないよう浅めに座るのがコツです。
- 恥骨と尾骨が座面に対して水平になり(骨盤が立つ)ポールの中央にのると背筋が自然に伸びます。その位置を探します。
- そのポールを恥骨から尾骨のお尻全体で挟み、100%の力でしめつけます。
- 力を抜き0%にします。このとき上半身の姿勢が崩れないように、お尻の力だけを抜きます。
- 再び100%の力でしめつけ、今度は50%力を抜き、50%のままではさみます。
- さらにそこからまた50%の力を抜きます。4の状態からすると25%の力ではさんだ状態です
- 7の状態で大きく息を吸い、お腹を意識します。軽くお腹に力が入ります。
- 7の状態を維持したまま息を吐きます。このとき骨盤底筋群が収縮したり伸展したりしています。
- 3~5回繰り返して全部の力を抜きます。
- 7の状態を作りす。両手を胸の前で合掌し、ゆっくり息を吸いながらそのまま頭上にもちあげます。
- 7の状態を維持したまま息をゆっくり吐きながら、手を横を通って下におろします。
- これを3~5回繰り返します
タオルポールを取ると、坐骨でどっしり座れる感覚があるはずです。まだポールが股に残っている感じがするなら効いています。
更年期の脂肪を落とす運動②朝の空腹ウォーキング
更年期の女性が1番取り掛かりやすいのがウォーキングです。とはいっても更年期女性は自律神経の乱れで朝が弱かったり、家族のことが優先で時間がとれない悩みもあります。脂肪燃焼のためには20分以上歩くことという定説の前では、ウォーキングすらも無理と諦めてしまうこともあったでしょう。また、過去にウォーキングをして、全然痩せないと感じたこともあったのではないでしょうか。そこで時間にはとらわれず効率的に脂肪を燃やす、更年期のためのウォーキングをおすすめします。
- 朝起きてすぐ空腹のままウォーキング
- 手をふるときは前に出すのではなく、後ろに引くことを意識
- 心拍数が120前後~130(会話ができる程度)になる速度で
- 呼吸を意識、浅くならない、とめない
- 余裕があるときは骨盤底筋体操をしてから行うとなお効果的
★脂肪をエネルギーに変える
起床時は前日の食べ物が消化吸収されて、体内の糖分が枯渇しています。通常は糖質をエネルギーにして体を動かしますが、糖質がないため、エネルギー源をたんぱく質か脂質に切り替える作用が働きます。持久力運動である有酸素運動は、主に脂質をエネルギーとし、脂質を中性脂肪から補うため、脂肪が燃焼されるのです。
20分以上続けないと脂肪が燃えないと言われるわけは、エネルギーが糖質から脂質に切り替わる時間がおおよそ15~20分のためです。しかしアサの空腹時の、体内に糖質が枯渇しているときは、すぐに脂質をエネルギーにする回路に切り替わるため時間は関係ありません。
なかなか痩せないとウォーキングも億劫になりますが、脂肪燃焼の仕組みがわかると、歩きだしてすぐに脂肪が燃えていると納得できてモチベーションもアップするでしょう。
★心拍数120前後が1番脂肪が燃える
脂肪が効率的に燃焼する速さは、更年期女性であれば心拍数が120前後で、会話しながら歩ける速さです。スピードが早いから脂肪が燃焼するわけではありません。足腰が気になり早く歩けず心拍数が思うようにあがらないときには、肘を後ろに引くように手をふるとてです。背筋や肩甲骨周りを刺激でき、全身運動になるので心拍数の調整ができます。
★ウォーキング前に筋トレ?
通常はウォーキング前に代謝をあげるため、スクワットなどの筋トレがすすめられますが、更年期にはハードルが高くなることもあるので、骨盤底筋体操がおすすめです。骨盤底筋体操をすると、下腹部に力をいれやすくなり姿勢も整うのでウォーキングの効果をさらに高めます。
★燃えた脂肪は水と二酸化炭素で排出される
ウォーキングで燃えた脂肪、つまり中性脂肪は84%が吐く息16%が汗や尿になって排出されます。ウォーキング中は深く大きい呼吸を意識しましょう。出かける前や終了後には、たっぷりと水分補給をすることを忘れてはいけません。無酸素運動の筋トレだけをしていても脂肪は燃えないと言われるのはこのためです。
★続けられることが1番
朝のウォーキングが無理なときは、日中や夕方のお腹が空いたときにちょっと歩く方法でも大丈夫です。なかなか痩せない更年期女性のウォーキングは、気軽に楽しく継続しやすいことが大切なのです。
更年期の脂肪を落とす運動③お腹と肩甲骨周りのストレッチ
更年期女性が太ると真っ先に気になるパーツは、お腹周り腰回りの脂肪です。そしてなかなか痩せないのも特徴です。他にも特徴的なのがブラのハミ肉が気になるおばさんっぽい背中です。
★お腹周りのストレッチ
ストレッチで気になる部位の筋肉を伸び縮みさせることで、長年使われずに凝り固まった筋肉が徐々にほぐれ、血行がよくなります。継続すると滞っていた老廃物が流れ、むくみがわらぐことを実感するでしょう。ストレッチが苦手、やり方がわからないという場合は、筋膜リリースローラー(フォームローラー)を使うのもおすすめです。お腹や腰回りをゴロゴロすると、翌日~3日後くらいには腰回りがスッキリするのを感じるはずです。なかなか痩せないお腹周りは、まずむくみを取り除いてむくみ改善を感じるとモチベーションもあがります。
★肩甲骨周りのストレッチ
更年期女性が太ると、背中にぼってりお肉がのりまるみがでてくる上、肩甲骨も消えてしまいます。大きい筋肉の背筋を鍛えて代謝アップをしたくても、背中は1人では難しいパーツのひとつです。
しかし、背中の意識は難しくても肩甲骨を動かすことは意識しやすいものです。そこで、更年期女性は積極的に肩甲骨のストレッチをするのがおすすめです。普段なかなか使わない部位を刺激すると、軽いストレッチでも汗ばむことがあります。特に肩甲骨周囲は代謝があがりやすいと言われていて、なかなか痩せない更年期にはぴったりです。
両手を後ろに組み、後ろに引きながらぐーっとできる限り肩甲骨を寄せます。同時に胸が張り、大きな筋肉である大胸筋や前肩が伸びるのを感じるでしょう。次に両手を前で組み、胸の前遠くまでぐっと前に伸ばします。その時おへそを見るようにしながら猫背を作り、肩甲骨を思い切り開きます。これを深い呼吸とともにゆっくり行います。ヨガのポーズのキャットアンドカウや、アップドック・ダウンドックなどもおすすめです。