痩せるために摂る脂質
脂質はカロリーが高く、太るからと極端に制限してしまいがちですが、実は更年期にとって大切な栄養素になります。脂質のはたらきは4つです。
- 細胞膜の材料になる
- ホルモンの材料になる
- エネルギーになる
- 脂溶性ビタミンの吸収を助ける
脂質は摂取量が不足すると、細胞膜やホルモン生成ができなくなってしまい、ビタミンAやEなど脂溶性ビタミンの吸収も悪くなります。特に糖質と脂質を同時に制限することは絶対にやってはいけません。病気や不調に直結し、生命活動の維持にまで危険を及ぼすことにもなります。また、脂質不足は代謝に関わるホルモンにも影響がでて、なかなか痩せない原因にもなるのです。
参考:農林水産省「すぐにわかるトランス脂肪酸」
具体的に日常で心がけることは、
- トランス脂肪酸が多く使われるジャンクフードは避ける
- 揚げ物はオメガ6脂肪酸が多く、酸化しやすいから避ける
- 肉の脂身は脂質の過剰摂取を招きやすいので控える
- 加工食品を控える
- 市販のドレッシングを避ける
たまに食べたくなる揚げ物は、時間のたったお惣菜や、何度も利用した古い油を利用した店舗のものではなく、オリーブ油で揚げたものをすぐ食べるなどの工夫すれば我慢しなくても大丈夫なのです。
・1日に必要な脂質量
脂質は1日の総カロリーの20~30%にするのが望ましいです。動物性脂肪の飽和脂肪酸は17%以下とします。オメガ6脂肪酸は穀類や野菜などにも含まれているため、意識せずとも普段から多く摂取しています。惣菜やレトルト、冷凍食品、お菓子やパン、シリアルバーなども原材料に植物油と記載されていたらオメガ6脂肪酸が多く含まれているものを使用しているので、控えたほうがよいです。
女性が1日に摂取する脂質の量は44~80gが適正とされています。なるべく良質の脂質で補うよう意識して心がけましょう。なかなか痩せない停滞期には、むしろフィッシュオイルを摂ってオメガバランスを整える方法もあるのです。
痩せるために摂るたんぱく質
更年期女性が摂るべきたんぱく質といえば、イソフラボンが含まれる大豆製品メインと思われがちですが、実はアミノ酸スコア100の良質なたんぱく質がおすすめです。アミノ酸スコアとは、食事からでしか摂取できない必須アミノ酸を、バランスよく含む割合を指数化したものです。
このように、大豆製品だけでたんぱく質を補うと、必須アミノ酸のバランスが崩れてしまいます。アミノ酸スコア100の製品をメインとして、大豆製品で不足を補うと考える方がいいでしょう。
たんぱく質をしっかりとっていても、摂取量がそのまま体内に吸収され、有効的に働くわけではありません。なるべく余分なカロリーを増やさず効率的にたんぱく質を摂取するには、上記のポイントを押さえておくとがおすすめです。たんぱく質は筋肉の低下を防ぐために不足してはならない栄養素です。他にも体の組織を生成するため、不足すると肌や髪がガサガサになったり、爪が弱くなったりと美容にも悪影響を及ぼします。なかなか必要量のたんぱく質をとるのが難しいときでも、アミノ酸スコア100の食材を、吸収率の高い方法で摂取すれば大丈夫なのです。必要時はアミノ酸サプリを利用してもいいでしょう。
・1日に必要なたんぱく量
たんぱく質は1日の総カロリーの13~20%にするのが望ましいです。49歳までは13~20%、50~64歳までは14~20%が目安になります。更年期は消化吸収力が弱まるため、ときに未消化のたんぱく質が腸内に溜まり発酵して、匂いのきついおならがでやすくなることもあります。自分にあったたんぱく源と量を見つけることが大切です。
更年期女性がダイエットをするなら、1日あたり体重×1g~1.5gの良質なたんぱく質をとりましょう。体重50kgの場合は50g必要になる計算です。更年期がなかなか痩せない原因に、たんぱく質不足とはよく言われることですが、摂りすぎると機能が衰えてくる更年期には肝臓や腎臓に負担になる可能性もあるので、適量を心がけまょう。