世界的な資源高、ウクライナ戦争の勃発、さらに進む円安によって燃料費が高騰した結果、電気料金が上がり続けている。政府は脱炭素に大きく舵を切るが、ベース電源である原発の再稼働は進んでいない。今後、電気料金はどこまで上がるのか?

夫婦二人世帯で5万円超!高い電気料金に悲鳴が続々

夫婦二人世帯で5万円超!? どんどん値上げされる電気料金の今後は?
(画像=『女子SPA!』より引用)

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電気料金の高騰が止まらない。大手電力10社の5月の家庭向け電気料金は、各社が値上げし、過去5年間で最高水準となる。

東京電力では、平均モデル(標準世帯)で8505円と、前年同月比で1683円も上昇。電気・ガス料金の見直しサービスを提供するエネチェンジの試算では、12月には9537円まで上がるという。

沢井淳一さん(仮名・30代男性)は、先月届いた電気料金に目を丸くした。

「夫婦2人暮らしで5万3975円ですよ!? 12月は2万円強、1月は4万円と倍増したけど寒かったから仕方ないと思っていた。でも、さらに1万円以上も上がるなんて……。コロナ禍でリモートワークになり、ゲームプランナーという仕事柄、高性能のいいPCや複数のモニターを使うので、人より電気を使っている自覚はある。妻も在宅勤務なので、料金がかさんだのでしょう。会社から補助なんてないし、給料から電気料金を源泉徴収されている感覚です」

夫婦二人世帯で5万円超!? どんどん値上げされる電気料金の今後は?
(画像=『女子SPA!』より引用)
沢井さんの電気料金(2月分)は、5万円を優に超えた。前年同月比23%のアップに加えて、料金に上乗せされる燃料費調整額も上がったと憤る ## 電気料金高騰の原因は? 電気料金の高騰の原因について、エネルギー政策に詳しい常葉大学名誉教授の山本隆三氏が説明する。 「昨年来の資源高に加え、ウクライナ戦争の影響で、日本が輸入する石油や天然ガスの価格は1年前のほぼ2倍に高騰。さらに、円安がこれに拍車をかけ、電気料金が上がった。 ただ、大手電力会社には、燃料価格の上昇による料金値上げに上限を設ける『燃料費調整制度』があり、消費者はさらなる燃料費上昇による電気料金の値上げは避けられる。一見いいことに思えるが、燃料費の上昇分を電力会社が負担しているにすぎず、耐えられなくなれば電気料金は値上げされます。それだけでなく、供給が不安定になる恐れもある」