3社の差異化ポイントはどこにある?
強い基盤を持っている3社にはそれぞれの運営方針、他の店との差異化のポイントがあります。ここではその重要なポイントを順に見ていきます。
名代 富士そば~駅近にこだわり出店、忙しいビジネスパーソンがターゲット
富士そばは、「出店場所」に強いこだわりを見せています。ビジネスパーソン中心の客層のため「駅の近く、道幅が広すぎない、角地で間口が広い」という場所にこだわって出店しています。
ダイタングループの創業者でもある丹道夫会長は「その場所を見て瞬間的に良いと思う場所」でなければ出店をしてきませんでした。会長の独特の出店戦略が、安定した経営基盤の構築につながっています。
また、未上場を背景にした自由な発想も特徴です。象徴的なのが、店舗オリジナルの個性的なメニューです。2019年に赤坂見附店が販売した「アパ社長カレーかつ丼」は、ネット上でも話題を集めました。
小諸そば~ドミナント戦略で特定地域の顧客の総取りを狙う
こちらも出店の仕方にかなり特徴がある会社です。徹底したドミナント戦略をとっており、特定の地域に集中的に店舗を展開しています。結果的にその地域での集客力が上がり、独占状態をとっていくという戦略なのです。特定エリアの「顧客総取り戦略」をとっています。
日本各地に手広く店舗を展開しているというわけではなく、関東の決められた地域で「そばと言えば小諸そば」という状態を作り出すことで、安定した経営基盤を作っているのです。
ゆで太郎~家族で座りゆっくりと食べられるお蕎麦屋さんを目指す
ゆで太郎は先の2社よりもかなり遅れて設立された会社ですが、現在他の2社は富士そば130店舗ほど、小諸そば80店舗ほどであるのに対して、ゆで太郎は約200店舗まで拡大しています。これは「フランチャイズチェーン」による店舗展開によって、店舗拡大を続けていることと関係しています。
直営店では立ち食いそばの形態をとっていますが、フランチャイズチェーンでは郊外店、基幹道路沿いなどを中心に展開し「家族で座ってゆっくりと食べられる」店舗となっています。他の2社とは大きく違う点と言えるでしょう。
3社独自の運営方針で経営基盤を安定
3社は、運営方針や出店計画などにこだわりを持ち、それが安定した経営基盤を作り出すことで、未上場経営を可能としています。また、未上場であることが個性を伸ばすことにつながり、さらに経営基盤を盤石にするという「正のスパイラル」が働いていることがわかります。
そして3社ともお蕎麦屋さんを経営しているという点ではライバルではありますが、それぞれ運営方針が異なることから、ぶつかり合うことなく店舗を拡大しているのでしょう。3店をビジネス目的で巡ってみるとまた新たな発見があるかもしれませんね。
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