人材コーディネーターはきつい仕事の一つ。本記事では、人材コーディネーター歴10年のベテランが、人材コーディネーターの仕事のどんなところがきついのかについて、自身の体験をもとに紹介していきます。人材コーディネーターへの就職や転職を考えている方にとって、とても参考になる記事です。

人材コーディネーターの仕事は何がきつい?

「人材コーディネーター」と聞くと、仕事の斡旋のプロ、採用・面接のプロなどと華やかなイメージを持たれるかもしれませんが、実際は泥臭く、とてもきつい仕事です。
では、人材コーディネーターの仕事の何がきついのか?具体的に紹介していきます。

派遣スタッフの身勝手な行動の責任を取らなければならない

ズバリ!人材コーディネーターのもっともキツイところは、派遣したスタッフの尻ぬぐいをしなければならないことではないでしょうか。

「派遣社員として働く人」の中には、社会性が低く、正社員として働くことが難しい方、「働く」ことへのモチベーションが低い方など、組織に所属して働くこと、もっと言ってしまえば、社会生活において何らかの問題を抱えている方も多くいらっしゃるのが実情です。

そのようなこともあり、仕事を無断欠勤したり、許可なく早退したり、派遣先の企業でケンカをしたり、セクハラをしたり、モノを盗んだり…。派遣スタッフのトラブルが頻発することは日常茶飯事なのです。
大小問わずトラブルが発生したときには、人材コーディネーターが責任を負わなければなりません。トラブルが起こるたびに企業に謝罪するのはもちろんのこと、起きてしまった問題を解決するために話をつけなければなりません。

派遣スタッフの“不祥事の後始末”ほどきついことはありません。

派遣スタッフ・企業それぞれの要望を押し付けられ板挟みに

一般的に、雇用者と労働者それぞれが相手に対して求めることが一致することはあり得ません。

派遣を利用する企業の中には、派遣スタッフに対して「どんな仕事も引き受けて当然」と考えている企業も少なくないので、無茶な要望を出してくることも多いです。
「派遣で来てるAさんなんだけどさぁ…今週いっぱいで契約打ち切りにしてくれないかなぁ?」
「派遣のBさん、明日から勤務時間変更してほしいんだよね」
「派遣のCさん、うちの社員と相性悪いんだよね。明日から別の人派遣してくれないかなぁ?」

などなど、「急にそんなこと言われても…」と言いたくなるような要望が次々と飛んでくるわけです。
実際に派遣スタッフを雇用しているのは派遣会社の方ですから、本人と交渉するのは人材コーディネーターの仕事になります。無茶な労働条件の変更は労使問題に発展するリスクもあります。

こうして人材コーディネーターは企業と派遣スタッフの間で板挟みになり、つらい状況になります。

「毎朝、派遣スタッフからの欠勤連絡がモーニングコール」がきつい

朝起きて、「今日も仕事に行くのが楽しみ」という人は少数派でしょう。大抵の場合、仕事に行くのが憂鬱、おっくうでしょう。
その憂鬱な朝に拍車をかけるのが、派遣スタッフからの欠勤連絡です。

想像してみて下さい。毎朝、派遣スタッフの欠勤連絡がモーニングコールなのです。好きなアイドルからのモーニングコールなら最高ですが、早朝の派遣スタッフからの連絡となれば、内容はロクなものではありません。

受け持つ人数にもよりますが、人材コーディネーターになれば、毎日欠勤連絡に対応しなければならなくなります。
割合的に、受け持つ人数の総数の10%が毎日欠勤すると考えて下さい。つまり、50人派遣スタッフを受け持つとしたら、毎日誰かしら5人くらいが欠勤連絡をよこしてくる形です。

人材コーディネーターという仕事をしている限りは、この負のループからは抜け出せません。これは人材コーディネーターの非常につらいところです。