和歌山県北部を流れる紀の川沿いには、道の駅やお寺、日帰り温泉などの観光スポットが点在しています。果物の栽培がさかんなので、農園カフェや農産物直売所に立ち寄るのも楽しいです。魅力的な紀の川沿いで、ドライブを楽しみませんか。
1.粉河寺
粉河寺(こかわでら)は、紀の川市にある粉河観音宗の寺院です。宝亀元年(770年)に、大伴孔子古(おおとものくじこ)によって創建されたと伝わる歴史あるお寺で、門前町に向かって建つ、立派な大門をくぐると、広い粉河寺の境内が広がります。石畳の道が続いており、大小のお堂や中門などが立ち並んでいます。
中門の先には、枯山水の「粉河寺庭園」が見られます。本堂の前庭と、その下の広場との高低差を生かして造った珍しい様式のもので、巨石と樹木が絶妙に組み合わさっており、迫力があります。
本堂は、享保5年(1720年)に再建されたもので、内陣には秘仏の千手千眼観世音菩薩が祀られています。この建物は、西国三十三ヶ所の中ではもっとも大きいそうで、その立派さに圧倒されます。
粉河寺境内は桜の名所としても知られており、毎年春には美しい花が境内を彩ります。まず3月上旬頃から、本堂横などの河津桜が咲き始め、その後3月下旬頃からはソメイヨシノが美しく咲き誇ります。境内や門前町には地元の特産品を販売するお店もあるので、訪れてみてください。
2.かつらぎ温泉 八風の湯
かつらぎ温泉 八風の湯(はっぷうのゆ)は、かつらぎ町にある温泉施設です。和風旅館のような雰囲気が漂う館内には、温泉大浴場や食事処のほか、お土産を販売する売店や足湯、休憩スペースも備えており、一日ゆっくりと過ごすことができます。
日帰りで利用する人が多いですが、敷地内には宿泊施設も併設されています。こちらはすべてのお部屋に露天風呂が付いているのが特徴で、気兼ねなく入浴が楽しめるのが魅力です。
5つの源泉からなる天然温泉は湯量も豊富で、大浴場の内湯や露天風呂に、かけ流しで供給されています。お湯に含まれる成分も多く、にごりのある本格的な温泉が楽しめるので、遠方から訪れる人もいるそうです。
食事処では、名物の和歌山ラーメンや柿の葉寿司のほか、灰干しさんま、熊野ポークといった和歌山の食材を使った御膳がいただけます。売店でも、特産品を豊富に取り揃えているので、ちょっとした旅行気分が味わえるでしょう。入口右手には、地元かつらぎ町の果物をはじめとする特産品の売店もあるので、気軽に立ち寄ってみてくださいね。
3.道の駅 青洲の里
紀の川市にある「青洲の里(せいしゅうのさと)」は、全身麻酔によって世界初の乳がん摘出手術を成功させた江戸時代の外科医「華岡青洲」の業績をたたえる施設です。施設内には、見学施設の「春林軒」、売店やレストランを備えた「フラワーヒルミュージアム」などがあり、道の駅にも登録されています。
春林軒は青洲の診療所兼住居と医学校で、一時期移築などもされましたが、その後もともとあった紀の川市に再度移築・復元されました。こちらでは、その建物の外観や内部を見学することができます。
敷地内には、門下生部屋(内塾)、薬調合所、主屋、米倉、看護婦宿舎といった建物が立ち並んでいます。これらは、主に資料調査によって再現されたものですが、主屋と蔵は当時のものが公開されています。
建物内では、人形や音声によって、青洲が行った手術、門下生に対する講義の様子が再現されています。乳がん摘出手術の成功によって多くの患者や門下生を集めていた、当時の様子を偲んでみるのも良いでしょう。