現代版スタンダールとして
本作には涼介の他、もうひとりの小説家が登場する。聡子がイマジナリーフレンド的に生み出したスタンダール(小日向文世)もまた、涼介より遥か昔19世紀を生きた偉大な小説家だ。涼介と結ばれるために恋の手ほどきメンター役を買って出て、いちいちアドバイスするのだけれど、スタンダール自身、恋に悩み、愛に生きた作家だった。フランス文学史上の傑作『赤と黒』を著した偉人の等身大の姿が、現代版スタンダールとして涼介に投影されているように思う。
本作の関連で解釈すれば、同じく19世紀フランス文学の代表作である『レ・ミゼラブル』のマリウスは、スタンダールの若き日の恋わずらいと読み込むこともできる。それがいつしか酸いも甘いも知る老齢の作家となる。その意味で、瀬戸がこのまま文学系男子路線を行ってくれると、年相応の魅力を持ちながらスタンダールやユーゴーのような文豪役を演じてもサマになるはず。
というか、レ・ミゼのミュージカルでぜひマリウス役を演じてほしい。アン・ハサウェイがアカデミー賞助演女優賞を受賞した映画版(2012年)では、「ファンタスティック・ビースト」シリーズで有名なエディ・レッドメインがマリウスを好演していたけれど、きっと瀬戸ならもっと美しく、誠実なマリウス像を体現できるんじゃないだろうか!?
聡子の妄想を超えて、現実の瀬戸が、折り紙付きの演技力で、マリウスや偉大な文豪たちを演じる日が待ち遠しくなってくるのだけれど、どうだろう?
<文/加賀谷健>
提供・女子SPA!
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