KPI・KGI設定の5ステップ|Twitter運用を成功に導くために

続いて、KPI設定の具体的な流れについて紹介しましょう。

1.Twitter運用の目的を固める
2.アプローチするターゲットを決める
3.KGI設定
4.KPI設定
5.達成期限を決める

それぞれの手順について詳しく解説していきます。

①Twitter運用の目的を固める

最初に決めておきたいのが、Twitter運用によって求めるものが何かという点です。

目的が定まっていないままTwitter運用をスタートしてしまうと、手段と目的が入れ替わってしまう危険性があります。

つまり、Twitterを使うこと自体が目的となってしまい、Twitter運用に投下する人的資源が無駄になってしまうのです。

Twitter運用の大まかな方向性として、基本的には企業の売り上げアップが目的となるでしょう。

その中でも、ブランド認知の向上、商品理解の促進、ファンの形成などの目的が考えられますので、自社に合ったものを選定することが大切です。

②アプローチするターゲットを決める

続いて、Twitter運用でアプローチするターゲットを決定します。

ターゲットをはっきりと決めておくことで、潜在的なフォロワーや顧客がどんな投稿を好むのかを予測することができます。

たとえば、都市部に住む20代女性をターゲットとするのであれば、そのターゲットが普段Twitterでどんなアカウントをフォローし、どんな投稿にリアクションしているのかをリサーチすることで、最適なアカウント運用につなげることができます。

一方でターゲット層が定まっていないと、若年層の女性向けの商品を販売しているにも関わらず、50代以降の男性がフォロワーとして集まってしまうなどの状況も考えられます。

これでは、どれだけフォロワーが増えたとしてもTwitter運用としては失敗に終わってしまいますから、ターゲットの選定は忘れずに行うようにしてください。

③KGI設定

Twitter運用の目的とターゲットが決まったら、KGI設定に進みます。

具体的には、次のようなKGI設定が考えられます。

・Twitter経由で100万円の売り上げを達成
・Twitter経由でオウンドメディアのアクセス数を50%アップ
・Twitter経由で実店舗への来店数を20%アップ

ゴールをどこに定めるかによって設定するKPIも変化するため、Twitter運用の目的に合ったものをKGIに設定しましょう。

④KPI設定

決定したKGIをもとに、続いてKPIを設定します。

・1ツイートあたり3,000インプレッション
・1ツイートあたり1,000エンゲージメント
・1ヶ月あたり1,000回のプロフィールへのアクセス数

上記のように、具体的な目標数値を決めることがポイントです。

目標数値を決定する際には、競合他社のTwitterアカウントを参考にしても良いでしょう。

1ヶ月や1週間といった期間を決めて、いくつかの競合他社のフォロワー増加やツイート数、エンゲージメント数などをチェックしてみます。

すると業界の平均値を算出できますから、その数値をKPIとして設定することをおすすめします。

なお、KPIはアカウントの成長とともに柔軟に変更して構いません。

Twitter経由の売り上げが増加したタイミングで、KPIを引き上げて運用リソースを増やすと、さらなる成果を見込めるようになるでしょう。

⑤達成期限を決める

KPIを設定した後には、必ずそのKPIの達成期限を設けるようにしてください。

1ヶ月ごと、もしくは四半期ごとにKPIの達成状況を振り返ることで、より効果的な改善施策を考えることができます。

KPIは、設定することよりも運用後の分析と改善がもっとも重要であることを理解しておきましょう。

KPIの効果測定はTwitterアナリティクスから要チェック

KPIの達成状況は、Twitterの公式機能である「Twitterアナリティクス」からチェックすることができます。

Twitterアナリティクスでは、アカウント全体のパフォーマンスに加えて、各ツイートごとのアクティビティ(反応)を確認することができます。

Twitter運用ではSNS分析ツールも数多く販売されていますが、Twitterアナリティクスを利用すると有料ツールなしでも十分な効果測定が可能です。

・ツイート数
・総インプレッション数
・プロフィールへのアクセス数
・フォロワー数
・ツイートインプレッション数
・エンゲージメント数
・エンゲージメント率

本記事で紹介した、上記のようなKPI指標もTwitterアナリティクスから分析することができます。

各ツイートごとの数字も確認できますので、バズったツイートやプロフィールアクセスを稼いだツイートの特徴を分析することも可能です。

エンゲージメント率が高いツイートを分析すると、ユーザーに求められている発信内容を見定めることもできるでしょう。

投稿時間や文章量、ハッシュタグの有無によってもパフォーマンスは変化しますので、反応が集まりやすい投稿の傾向を把握することが大切です。

KPI目標を達成するための5つの施策

最後に、設定したKPI目標を達成するために役立つ、5つの施策について紹介しましょう。

KPI設定後の、実際のTwitter運用の参考として活用してみてください。

定期的にツイートを投稿する

Twitter運用では、定期的にツイートを投稿してユーザーの目に触れることが重要です。

単純接触効果によって企業公式Twitterに親近感を持ちやすくなり、ブランド認知が高まることで第一想起を獲得できる可能性も高まります。

Twitter運用の担当者としても、不定期に投稿するのではなく、毎日定期的に投稿することをルール化した方が業務効率が上がるのではないでしょうか。

ただし、毎日投稿することが目的化してしまって、自社の商品と関係のない話題が増えてしまったり、ユーザーとのコミュニケーションが減ってしまったりしては逆効果です。

あくまでも無理のないペースで、定期的にツイートを投稿することを心がけましょう。

なお、TwitterのPC向け画面からは、投稿日時の予約ができる機能も公式で用意されていますので、積極的にご活用ください。

ユーザーとのコミュニケーションを図る

Twitter運用を始める企業の中には、Twitterをただの集客ツールとして捉えてしまうケースも少なくありません。

しかしTwitterは本来「SNS」、つまりユーザー同士の交流を目的とした媒体です。

そのため、企業からユーザーへの一方通行のやり取りになってしまうと、思うような成果につながらない可能性が出てきます。

たとえば、Twitter検索から社名や商品名、ブランド名でエゴサーチしてみて、返信やいいねなどのアクションをこちらから起こしていくことも大切です。

好意的なツイートにコメント・リツイートするだけではなく、ネガティブなツイートにも丁寧にフォローしたりヒアリングしたりすることで、ブランドに親近感を抱いてもらいやすくなります。

単なる情報発信ツールとして捉えるのではなく、ユーザーとのコミュニケーションを取るツールとしてTwitterを運用していきましょう。

Twitterキャンペーンを利用する

Twitterキャンペーンは、フォロー&リツイートで応募すると景品が当たるなどの形式で、アカウントの認知を広める施策を指します。

Twitterキャンペーンには以下のような形式もあり、KPIに合わせて検討されます。

・フォロー&いいねキャンペーン
・フォロー&ハッシュタグ投稿キャンペーン
・フォロー&写真投稿キャンペーン

Twitterキャンペーンを活用することで、これまで企業公式Twitterの存在やブランドの存在を知らないユーザーにアプローチして、認知度を高める機会を作ることができます。

ユーザーにとって有益で魅力的なアカウントと判断されれば、キャンペーン後もフォローを継続してくれる可能性も高まるでしょう。

ただし、Twitterキャンペーンを検討する際にも、キャンペーンの目的(KGI)や数値目標(KPI)を決めて、どんな成果のために取り組むのかを明確にすることが大切です。

プロフィールを充実させる

Twitter運用では、フォロワー数やフォロー完了率が重要なKPI指標として設定されることも多くあります。

プロフィールやヘッダー画像、固定ツイートなどによってアカウントをフォローするか判断されることも多いため、プロフィールへのアクセス数を増やすと同時に魅力的なプロフィール作りにも力を入れる必要があります。

会社やブランド名が一目でわかるキャッチフレーズを設定したり、企業のイメージキャラクターを掲載したりと、ユーザーの記憶に残るような印象的なプロフィールを作成しましょう。

具体的にどのようなプロフィールを作ればいいのかを考える際には、競合他社でフォロワーを多く獲得しているアカウントを参考にすると良いでしょう。

企業色を強めすぎない

そもそもTwitter運用では、企業公式Twitterは伸びにくいと言われています。

その背景には、TwitterをはじめとするSNSは「人と人とのコミュニケーション」がメインになっており、「企業と人のコミュニケーション」には向かないという特性があります。

そのため、企業としての人格を押し出すよりも、中の人の色を強めた方がTwitter運用では成果につながりやすくなります。

ただし、一人の担当者のみに運用を任せてしまうのは、属人化が進み業務効率が低下する可能性もあります。

チーム内で誰が運用しても同じく運用できるようルールを決めながら持ち回りでツイート作成・返信作業を担当するなど、バランスを取りながら運用していくことをおすすめします。