香川県のパワースポットとして名高く、「こんぴらさん」の愛称でも馴染みのある金刀比羅宮。そしてこんぴらさんといえば、奥社まで続く1,368段の長〜い階段が有名。登る前に挫けてしまいそうですが、そんなあなたの背中を押すべく、奥社でしか見られない絶景&アイテム「天狗守り」をご紹介させて頂きます!
金刀比羅宮の成り立ち
金比羅宮は、全国にある金刀比羅神社の総本宮です。また金刀比羅宮は海上交通の守り神としても信仰されており、漁師や船員などの海運関係の人達からも崇敬を集めています。境内には、当時を偲ばせる灯篭なども見かけます。そのほかにも五穀豊穣、商売繁盛の神様としても有名です。
参道口〜御本宮まで(785段)
大きな参道の両脇には香川名物のうどんを始め、旅館、こんぴらさんのお神酒を造っている金陵の資料館、天ぷら屋、テイクアウトのスイーツショップなどが並び、賑やかに通りを彩っています。
賑やかな参道の終盤、いよいよ階段が見えてくると、道の隅に階段を登る用の大量の竹杖が用意されています。体力に自信の無い方は無理せず、この竹杖を100円でレンタルしましょう。
そして実は、金刀比羅宮の登り始めは実は割と緩やか。数十段登ると少し平らな道になり、まだ両脇にはお土産屋さんなどが軒を連ねているため、賑やかさもあります。
お土産を覗いたり、写真を撮ったりしながらゆるゆると登っていくと、あっという間に100段目に到着します。100段を少し過ぎたところに大きな鳥居が現れますので、そこから本格的なお参りがスタートします。
以降は、ひたすらに急な階段を登り続けます。時折現れる「○○段目」の表示が背中を押してくれるような、「こんなに疲れているのにまだこれだけ!?」と思わされるような…そんな階段登りとなります。
大門 五人百姓が販売する「加美代飴」
300段目を過ぎた辺りで一気に視界が開け、大門が現れます。この大門より内側が金刀比羅宮境内となります。門をくぐったすぐ先では、古くから金刀比羅宮と縁のある家柄である五軒の五人百姓が「加美代飴」を販売しています。
大門内、桜馬場と呼ばれる150mほどの平坦な石畳(春には両側を桜が彩ります)を抜けると、再び階段が現れます。そちらを登り切ると「こんぴら狗」と呼ばれる犬の銅像が待っています。こちらはイラストレーター・湯村輝彦さんのデザインです。
庶民の代参をした「こんぴら狗」
江戸時代、庶民の旅行は禁止されていましたが、神仏への参拝はその限りではありませんでした。数ある神社仏閣の中でも伊勢神宮と並び、庶民にとって一生に一度の夢とまで言われた憧れの地が、金刀比羅神社と京都の東西本願寺だったのです。とは言え、江戸を中心とした東日本から西にあるこれらの社寺へのお参りは容易ではなく、当人に代わって旅慣れた人が代理で参拝に行くこともありました。これを「代参」と言いました。
そして実は、代参をしたのは人だけではなかったのです。「こんぴら参り」と記した袋を首にかけた犬が、飼い主の代参をすることもありました。 袋には飼い主を記した木札、初穂料、道中の食費などが入っていて、犬は旅人から旅人へと連れられ、街道筋の人々に世話をされ、目的地にたどり着いたと言います。
このようなことから、「こんぴら参り」の代参をした犬は、特に「こんぴら狗」と呼ばれていたそうです。
全国でも珍しい「神馬」
こんぴら狗から視線を左に移すと、なんと厩舎が!金刀比羅宮では、神馬(しんめ)と呼ばれる神様が騎乗する馬として神聖視された馬が二頭奉納されています。この日は、ルーチェ号が迎えてくれました。
またこの広場内には「新椿」という資生堂パーラーが運営しているカフェレストランもあります。登る前または降りて来た後の休憩にもぜひ。
旭社(重要文化財)
その後も続く長い階段を登ると見えてくるのが「旭社」と呼ばれる重要文化財にも指定されている神社です。あまりに立派な造りのため「ここが本宮では?」と思えてしまうほど。
残念ながらこちらは本宮ではありませんが、旭社まで辿り着けば御本宮までは後少し!ちなみに旭社へのご参拝は御本宮への後がならわしですので、帰り道にぜひお参りしてみてくださいね。