【25】高桐院
江戸初期に建立された、大徳寺の22カ寺の中の塔頭の一つ。書院は千利休の邸宅を移築したものと言われています。竹林の中にひっそりと佇んでいる、知る人ぞ知る場所といった雰囲気です。
石畳の参道を歩き中に入ると、お庭があります。そんなに広さはありませんが、こじんまりとしたとてもおだやかな空間で、ここで長い時を過ごしたくなるような心落ち着く場所。別名「散紅葉の庭園」とも言われており、晩秋でも紅葉が楽しめるのが特徴です。
【26】建仁寺
京都最古の禅寺として、1202年に栄西禅師が建立しました。1202年は建仁2年にあたり、当時の年号から寺名がつけられています。「建仁寺」といえば、教科書などで誰もが見たことがあるであろう、国宝『風神雷神図屏風』が有名です。保存のために本物は京都国立博物館に保管されていますが、最新のデジタル技術で再現されたものを見ることができます。
その他、『双龍図』や『雲龍図』などの迫力ある寺宝、そして「〇△□の庭」という変わった名前のついた庭園などの見どころがあります。
【27】高台寺
慶長11年(1606年)に、豊臣秀吉の妻・北政所(ねね)が秀吉の菩提を弔うために創建しました。東山を借景とした池泉回遊式の「高台寺庭園」は昭和2年(1927年)に国の史跡・名勝に指定。そして開山堂と書院をむすぶ廊下の中央にある「観月台」は国の重要文化財に指定されており、北政所(ねね)が秀吉を偲びながら月を眺めたと言われています。
【28】鈴虫寺
鈴虫の鳴き声が1年中聞こえる事から”鈴虫寺”と呼ばれるようになった「華厳寺(けごんじ)」。願いを一つだけ叶えてくれるお地蔵さんが有名で、1年中多くの人々が祈願に訪れています。”幸福地蔵さん”は、日本で唯一わらじを履いたお地蔵さん。皆さんの願いを叶えに歩いて来てくれるので、わらじを履かれているそう。
【29】永観堂
南禅寺から少し歩いたところにある浄土宗の寺院「永観堂(えいかんどう)」。正式には「永観堂 禅林寺(ぜんりんじ)」で、“もみじの永観堂”ともいわれる紅葉の名所として多くの人が参拝に訪れています。境内には、約3,000本の紅葉が植えられており、毎年11月中旬から12月上旬にかけて、ライトアップも行われます。
紅葉だけでなく、お堂も見どころのひとつ。「阿弥陀堂」には「みかえり阿弥陀」と呼ばれる首を左にかしげて振り向いている珍しい阿弥陀像が祀られています。江戸時代に大阪から移築されたお堂で、堂内の格天井には「百花」が描かれています。
【30】安井金比羅宮
悪縁を切り、良縁をむすぶとして有名な神社。人との縁だけでなく酒やギャンブル、病気など断ち切りたい悪縁も切れると言われています。
まず本殿で参拝をし、”形代”に切りたい縁や結びたい縁を書いて、この”形代”をもちながら”縁切り縁結び碑”をくぐります。まずは表からくぐって悪縁を切り、裏からくぐって良縁を結びます。そして最後に”形代”を”縁切り縁結び碑”に貼ります。この一連の流れが悪縁を切り、良縁を結ぶ祈願になります。
参拝、縁切り・縁結びの祈願は24時間可能で、重要な形代も形代授与所に終日あります。人が少ない穴場の時間帯はもちろん朝や夕方です。人目を気にしないでお願いごとを書くことができ、ひっそりとくぐれるのでおすすめです。
【31】六角堂
587年、聖徳太子によって創建されたと伝えられています。寺名の正式名称は「紫雲山頂法寺」ですが、本堂が六角形の形をしていることから六角堂の名称で親しまれています。
現在の本堂は明治10年に再建されたもので、本堂には如意輪観世音菩薩(にょいりんかんぜのんぼさつ)が祀られており、健康長寿や安産祈願、厄除けなどにご利益があります。また、奈良・法隆寺を建立した聖徳太子によって創建されたといわれており、華道の家元・池坊(いけのぼう)が住職を務めたことから「いけばな発祥の地」としても知られています。
境内にはにこにことした表情が特徴的で合掌したお地蔵さまを祀る「十六羅漢」があり、いつも優しい顔つきで穏やかに話をすることを心がければ、ご利益があるといわれています。
【32】道祖神社
京都駅からすぐの場所に佇む「道祖神社」は、旅の神さまである猿田彦命(さるたひこのみこと)と、芸能の神さまである天鈿女命(あまのうずめのみこと)を婦神としてお祀りしていることから、夫婦円満、そして縁結びの神様として親しまれています。
鳥居の前には可愛らしい夫婦の石像があり、パートナーと一緒にお祈りをすると末長く仲良く暮らせるのだとか。
【33】千本釈迦堂
境内にある”おかめ塚”にちなみ、夫婦円満や縁結び、子授けにご利益があると言われています。
おかめさんは、千本釈迦堂を建てる際に棟梁を務めた大工の妻で、彼女の助言により夫は窮地から救われることになりました。しかし、女性の助言で事を成し得たと思われては夫の恥であると考えたおかめは、自害してしまいます。
この悲話から夫を思うよき妻の人柄を伝える”おかめ信仰”発祥の地となり、境内にある”おかめさん像”を拝めば夫婦円満になると言われています。
世界遺産の寺・神社
【34】賀茂別雷神社(上賀茂神社)
上賀茂神社の名で広く知られていますが、正式名称は賀茂別雷神社(かもわけいかづちじんじゃ)。京都で最も古い神社です。厄よけや落雷除、必勝の神として広く信仰を集め、本殿と権殿の2棟が国宝、楼門、唐門、西渡廊など34棟が重要文化財、そして境内が史跡に指定と文化財を多く所有しています。
二の鳥居をはいってすぐ目に飛び込んでくる円錐形に盛られた2つの砂、立砂(たてずな)は見どころの一つ。神様が天から降臨した神山(こうやま)を模したものとされ、鬼門などにまく「お清めの砂」の起源とも言われています。
また上賀茂神社と次に紹介する下鴨神社では、京都三大祭りのひとつである「葵祭」が行われます。
【35】賀茂御祖神社(下鴨神社)
導きの神、勝利の神として信仰を集める下鴨神社。正式名所を賀茂御祖神社(かもみおやじんじゃ)と言います。鮮やかな朱色をした楼門は高さ13メートルで、重要文化財に指定。その他にも広い境内には多くの重要文化財があります。
参道にある摂社の「相生社(あいおいのやしろ)」は縁結びの神様である「産霊神(むすびのかみ)」を御祭神としており、縁結びのパワースポットとして知られ、多くの女性が参拝に訪れています。そのお社の左隣には「連理の賢木(れんりのさかき)」という縁結びのご神木があります。このご神木は2本の木が1本に繋がっており、「京の七不思議」の一つとしても知られているそうです。
「葵祭」では総勢500名以上の風雅な王朝行列が下鴨神社を経て、上賀茂神社へ向かいます。
【36】教王護国寺(東寺)
一般的には東寺(とうじ)として知られていますが、正式名称は教王護国寺(きょうおうごこくじ)です。国宝に指定されている五重塔は徳川家光が再建したもので、高さ55mと日本一の高さを誇ります。1603年に豊臣秀頼によって再建された金堂や、大師堂、蓮花門も国宝に指定されています。
桜の時期には夜の特別公開「東寺 夜桜ライトアップ」が行われ、光に照らされて浮かび上がる五重塔や不二桜、しだれ桜の風情のある景観を楽しむことができます。
毎月21日には「東寺弘法市」が開催され、普段以上に参拝客、観光客が訪れます。並ぶお店の数は1,200店~1,300店と多く、1日では周りきれません。骨董品などのほか、京野菜やお酒などの京都のおいしいものも並びます。