【自虐的な人の心理】①構って欲しい

自虐的な人の心理①は「構って欲しい」です。

大抵の人は、自虐的な発言をした相手を気の毒に思い、励まそうとしますよね。相手が自虐した部分を褒めることで、その自虐を一生懸命に否定してあげる方が多いと思います。

「構って欲しい」という心理を持つ自虐的な人は、自虐的な発言をすれば、相手が優しくしてくれる・褒めてくれることが分かっていて言っているのが特徴です。

この心理を持つ自虐的な人は、自虐的な発言をする相手をよく見極めているか、自分に相当な自信があるか、どちらかが心理の根底にあります。

自虐的な発言をする相手をよく見極めている人は、相手が励ましたり慰めたりしてくれる優しい人柄でなければ、自虐的な発言はしません。

自分に相当な自信がある人は、自虐的な発言をしても相手が褒めてくれるのが当然だと思っています。このタイプは、自虐的な発言に「本当にその通りだね!!」と返すと、性格上逆切れしたり拗ねたりしてしまいます。

「私って本当にブス」と言えば、「そんなことないよ、可愛いよ」と返ってくる。
「私はなんて無能なんだろう」と言えば、「あなたはとても頑張ってるよ」と返ってくる。

相手が慰めてくれる・褒めてくれる言葉を引き出すため、つまり相手に構ってもらうために、
相手の同情を引ける自虐的な発言・行為をしているのです。

コンプレックスが根底にある自虐とは違い、「構って欲しい」という心理からの自虐は、そこまで自分が自虐的な発言通りだとは思っていなくても言ってしまいがちです。

時に自虐的な発言・行為にブレが生じることがあります。また、次々に自虐できる部分を探すため、周りにしたらどうでもいい些細なことを持ち出して自虐することもあります。

コンプレックスが根底にある自虐であれば、「また?」と思うことはあっても、比較的親身になって、相談に乗ろうという気になれます。

しかし、「構って欲しい」という心理からの自虐は、自虐に統一性がなく、付き合うのが面倒くさくなってきてします。

「構って欲しい」という心理を持つ自虐的な人は、自己中心的であまり相手の気持ちを考えられません。相手が「面倒くさい」と思っているかもしれないという発想には至らないのです。

【自虐的な人の心理】②笑いを取りたい

自虐的な人の心理②は「笑いを取りたい」です。

笑いを取りたい自虐とは、女芸人さんがする「自虐ネタ」のようなもの。

女芸人さんの自虐ネタは笑ってもいいものとして見ますが、素人が行う自虐ネタは、笑っていいのかどうかの判断が難しい場合があります。

「この自虐で笑いを取りたいんだろう」と思って笑ってあげたら、「自分に自信がない」という心理で言っている自虐だった!ということもあり得ます。

この場合は相手を深く傷つけてしまうかもしれません。

また、TVであればさすがに放送できないレベルの自虐ネタはありませんが、
素人の場合はフィルターがないため、自虐ネタのレベルの際限がありません。自虐がえぐすぎてドン引きしてしまうこともありえます。

会話のきっかけとして使う自虐ネタならともなく、きっかけ以外にもいたるところで使われる「笑いを取りたい」自虐は相手を困惑させてしまいます。

【自虐的な人の心理】③場を和ませたい

自虐的な人の心理③は「場を和ませたい」です。
自虐的な人の心理の中では、唯一無害かつ善良なものです。

自虐的な人の心理②の「笑いを取りたい」と少し似ていますが、
決定的に違う点は自分の欲求を優先させているのか、周りへの気遣いからなのかという部分。

緊迫した場面では、場を和ませるため、緊張をほぐすために、あえて失敗談のような自虐的な発言をするという人がいます。

「場の和ませたい」という心理を持つ自虐的な人は、よく空気が読めますし、相手からの反応、慰めや励ましは求めません。

「場が和む」「相手の緊張がほぐれる」等の効果さえ現れれば満足です。相手を苛立たせたり面倒くさがらせたりするような自虐的な発言・行為はしません。

【自虐的な人の心理】④精神的な負担を減らしたい

自虐的な人の心理④は「精神的な負担を減らしたい」です。

「精神的な負担を減らしたい」という心理を持つ自虐的な人は、自尊心やプライドがとても強いタイプの人が多いです。仕事や人間関係などで失敗やミスにも敏感です。

自虐的な思考・性格や発言・行為は、仕事や人間関係などで失敗やミスをしても、それに付随する精神的な負担を減らすことにつながることがあります。

「私はどうせ無能だから」と自己催眠のように自虐してハードルを下げることで、仕事や人間関係などで失敗やミスをしても、そのショックを和らげることができます。

また、自虐してハードルを下げておくと、いざ失敗やミスをしても言い訳ができます。周りも始めから過度な期待はしないでしょう。

自尊心やプライドがとても強いタイプの人は、周りの高い期待から、現実での失敗やミスによって下がる評価の落差に耐えられません。

それなら最初から過度な期待をされないよう自虐的な発言・行為をしてハードルを下げておきたいと考えるのです。