「仕事に行きたない」なら行かなきゃいい。気持ちに忠実になったら異世界が広がった話

朝、仕事に行きたくない。じゃあ行かなきゃいいじゃない!?嫌な気持ちの消し去り方
(画像=photo-ac.com/、『Plus Quality』より引用)

「仕事に行きたくない~」と心の中で思いながら、当然のように会社に通う。心と体が裏腹、これって不思議なことだと思いませんか。何言ってるんだ、社会人だから当たり前だと怒られるかもしれませんね。

そう、多分誰もが「社会人なら行くのが当たり前だ」と思いながら「仕事に行きたくない気持ち」を打ち消しているのです。

「仕事に行きたくないよ~」という心の声に対して、打ち消しの言葉は恐ろしいほど常識人です。

「いいかげんにしろ、みんなががんばっているときにお前が仕事休んでどうするんだ!」

「仕事を休んだら、しわ寄せが他の人にいくわよ、迷惑かかるわよ」

「社会人だろ。甘えにもほどがある」

「体調が悪いとか何言ってる、這ってでも行け」

心の中にブラック企業的な自分がいて、己を律しながら会社に向かっている人も、きっと少なくないと思います。

では、朝「仕事に行きたくない」をこじらせて、本当に会社に行かなかったら、どういう精神状態に陥るのでしょうか。朝、仕事に行きたくないという気持ちが爆発し、気づいたら会社に行かず温泉地に着いていた私の体験をお話ししましょう。

ある朝、行きたくないをこじらせた

朝、仕事に行きたくない。じゃあ行かなきゃいいじゃない!?嫌な気持ちの消し去り方
(画像=photo-ac.com/、『Plus Quality』より引用)

毎朝「仕事行きたくない」を繰り返し、それを押さえつけながら通勤する毎日。その頃の私は有給なし、年末年始の休みなしという、今考えれば相当ブラックな会社に勤めていて、わがままなクライアントの対応にストレスが溜まっていた時期でした。

時々辞めたくなって弱音を吐くと、個性の強い上司には「打たれ弱い」とからかわれ、もっと働け!と言われるのです。毎朝「仕事に行きたくない!」と叫んでいる状態でした。

そんな、「打たれ弱い」私ですが、一度自分にキレたことがありました。

「毎朝毎朝、これほど仕事に行きたくないなら、会社に行かなきゃいいだろ!」

私は早朝の新宿駅に行き、いつもの電車ではなくバスに乗りました。誰も乗っていないちょっと豪華なバスでした。ストレス極限状態だったとはいえ、会社に行きたくなさすぎて、私は会社に向かわず、箱根行きの高速バスに乗ったのです。

高速バスは途中では止まりません

朝、仕事に行きたくない。じゃあ行かなきゃいいじゃない!?嫌な気持ちの消し去り方
(画像=pixabay.com/ja/、『Plus Quality』より引用)

高速バスが動き始めると、一瞬かなり焦りがこみ上げてきました。

私は今、何をやっているんだろう!?と我に返りました。

バスが高速道路に入ると、今まで「会社に行きたくない」とぐずぐず憂鬱になっていた気持ちはどこかに吹っ飛んで、

「これはヤバイ、やっちゃってる感ハンパない」という焦りだけが込み上げてきます。

私の中の社畜魂が「あんた何やってるのよ、ちょっと!」と怒り狂っても、高速バスは止まりません。

頭の中で、会社に向かう自分と、会社とは別の方向にどんどん遠ざかっている自分が重なって、まるでパラレルワールドにいるような気分になります。そして呆然としている間に私は御殿場駅に降り立ったていたのです。

会社には「体調が悪いので休みます」と躊躇なく連絡を入れました。

会社と物理的に距離が離れてしまうと、休むことで会社の人にどう思われようと知ったこっちゃない、という気持ちになりました。

本当は会社に行きたがっている?!

朝、仕事に行きたくない。じゃあ行かなきゃいいじゃない!?嫌な気持ちの消し去り方
(画像=photo-ac.com/、『Plus Quality』より引用)

しかし、心はまだ晴れません。私の心の中の社畜が提案してきたのです。

「じゃあ、どうだろう。今からすぐに引き返せば、昼前には会社に着くよ、半休で仕事できたらメンツが保てるよ」と。この後に及んでまだ「会社に行こうとしている」自分がいることに驚きました。御殿場まで来て、まだ会社への体裁をつくろうために「会社に行きたがっている」とは!

ふと目をあげると、すぐ間近に富士山がドカーンと見えていました。その迫力に圧倒されながら、どこにいるのかわからない感覚から、徐々に落ち着きを取り戻して行きました。

今朝、仕事に行きたくない!をこじらせていたことが、まるで昔のことように思えます。

こうなったら、楽しむしかないか。気分を切り替えてレンタカーを借り、ドライブを楽しみ、食事して日帰り温泉にも行って、日頃やりたかったことをやって家に帰りました。底抜けに楽しかったわけではありませんが、そこそこ楽しいと思える自分に久々に会えた、そんな感じでした。

仕事に行かずに得るものは意外と多いかも

朝、仕事に行きたくない。じゃあ行かなきゃいいじゃない!?嫌な気持ちの消し去り方
(画像=pixabay.com/、『Plus Quality』より引用)

仕事をばっくれて箱根に行き、学んだことは意外とたくさんありました。

ひとつめは、「仕事に行きたくない」と思う自分の中に、実は「仕事に行くべき」という自分もいることです。私の中には、仕事に行きたくない、家にいたい、遊びに行きたいという「インナーチャイルド」に対して、「常識ある社会人」としてのリアルな自分がいました。この人は真面目で、決まった遅刻や欠勤を嫌います。仕事は完璧を目指し、自分に厳しく、他人にはほどほどに甘いけれど、甘すぎることはない人です。

私の中の二人のバランスが、うまくいっていれば、「あー、今日も仕事かぁ、週末まであと2日もあるぅ」などと言いながらも、私はすんなり仕事に行く毎日が過ごせるのではないかと思います。しかし、私の中の「常識ある社会人」が「インナーチャイルド」を脅かすようになると、毎朝、「嫌だ、一歩も外に出たくない、仕事行きたくない」という状態になるのではないかと腑に落ちたのです。

反省する点は、私の中の「常識ある社会人」が、社会的なマナーやルール、責任感に縛られすぎてていたことです。休みたいけど会社は絶対休めない。少々体調が悪くても這ってでも会社に行くのが正義とは。ブラック企業で心までブラックになってしまっていたということでしょうか。

日々の行動から自分を引き離すのは大変なストレスですが、「行きたくない」気持ちがこじれてきたら、「行かなくてよい」と自分に許可するのも有りだなと思いました。その回復効果は目を見張るものがあります。仕事に行かずに箱根に行った私は、翌日からしばらくの間、「仕事に行きたくない」とはまったく思わなくなりました。

結論。たまにはブチ切れてもいい!

朝、仕事に行きたくない。じゃあ行かなきゃいいじゃない!?嫌な気持ちの消し去り方
(画像=photo-ac.com/、『Plus Quality』より引用)

それは、富士山の新鮮な空気を思う存分吸ってリフレッシュできたからかもしれませんし、「行きたくない」という自分の欲求を満たしたからかもしれません。

きっと、私の中の「常識ある社会人」が自分の間違いに気づき、私の中の「インナーチャイルド」が思いっきり遊んで喜んだせいではないかなと思います。

翌日、出勤しても特別何も変わらず、上司に怒られることもなかったし、周囲に非難されたり仕事をクビになることもありませんでした。それどころか、いつもより効率的に仕事がはかどったことが驚きでした。

以上が私の体験談です。かなり刺激的な方法ですが、休暇が取れないブラック企業にいるなら、たまにこうしてブチ切れてみるのもいいんじゃないかと思います。