おすすめのムドラ3選
おすすめムドラその1、アンジャリムドラ
先の例で紹介した「胸の前での合掌」がアンジャリムドラです。
「Anjali」には「捧げる」という意味があるそうです。
ヨガでは体の右側が太陽のエネルギー、左側に月のエネルギーが流れていると考えますが、それは男性性と女性性の象徴でもあり、右手と左手を合わせることでそれらの相反するエネルギーを一体化させるという意味があるとされます。
つまり、自分の中にある男らしい部分と女性らしい部分、あるいはポジティブな部分とネガティブな部分、善と悪、自分の中にもさまざまな「顔」があると思いますが、それら全てを統一して受け入れる、という意味があるのではないかと私は解釈しています。
そのため、私の場合ですが、クラスや練習のはじめに行なうアンジャリムードラには「あらゆる自分を受け入れます」という意味を込めています。
一方、これは私がインドの先生から聞いた話なので、ネットや文献には出てこないのですが、「右手が父親」「左手が母親」という話を聞いたことがあります。
この二人のおかげで自分が存在しているということを合掌によって今一度確認し、感謝を捧げるのです。
この話は今でも私の心に深く刺さっていて、練習やクラスのおわりに行なうアンジャリムドラには私はこの意味を込めています。
おすすめムドラその2、チンムドラ(ジュナナムドラ)
チンムドラもヨガのクラスで多く取り入れられるものの一つです。
スッカーサナ(安楽座)や正座で座り、呼吸法や瞑想を行なうときに行なうムドラです。
親指と人差し指の先をそっとくっつけて、小さな輪を作り、残りの指は柔らかく伸ばし、手のひらは上に向けます。
私が学んだ時には「親指が真我(宇宙)」「人差し指が自我(小宇宙)」で、ふたつを合わせることで大きな宇宙と小さな自分を繋げることができる、と教えられました。
また、正確には親指の腹を上にし、人差し指の腹を覆うようにすると良いと聞いています。
大脳の血流を促進させる、心を穏やかにする、アイディアが浮かぶ、マインドがクリアになる、などさまざまな効果があるとされます。
私自身はこれらの説明に抵抗感を持つことはありませんが、やはりその形から何か「宗教っぽさ」や「胡散臭さ」を感じる人もいるようです。
これは禅の先生から教えていただいたのですが「座禅中に眠くならないよう、意識を親指と人差し指の輪に集中しておく。眠気が訪れると指が離れるので、軽く触れた状態を意識しておく」とおっしゃっていました。
チンムドラに形に違和感がある方は、このように「眠気予防」と捉えておくのも良いかもしれません。
おすすめムドラその3、シャンムキムドラ
私自身さまざまなムドラを調べ、試してみていますが、中でも即効性を感じたのが「シャンムキムドラ」です。
スッカアーサナやパドマアーサナ、できなければ正座などで座ったら、人差し指は眉骨の下あたり、閉じた瞼(目の上)に中指、鼻腔の外側(小鼻のあたり)は薬指、小指は唇の上を軽く当てるようにして、両手で顔を覆うようにするのがシャンキムドラです。
教えによっては、親指で耳の穴を塞ぐという人もいます。
このムドラをしながらゆったりとウージャイ呼吸や完全呼吸、できれば蜂の呼吸(ブラマリー)を行なうと、非常に深いリラックスや癒し、静けさを感じることができます。
たった1分程度でも不安、ストレス、不眠、高血圧、耳鳴り、眼精疲労に効果があるともされるので、仕事中などにも適宜取り入れると良いでしょう。
実際私もこのムドラはヨガの練習ではなく、仕事中や入浴中などに行なうことが多いです。
ムドラはどんどん実践しよう
いかがでしたか?
謎に包まれた部分が多いムドラですが、効果が感じられるものからどんどん実践し、色々なムドラに挑戦してみると、ポーズを練習するだけよりも体と人生がよりよく変わっていくと思いますよ。
提供・yoganess
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