「結婚すると彼女は自由になるよね」
これは笑福亭鶴瓶が新垣結衣と星野源の結婚について自身のラジオで語った言葉である(2021年5月23日放送『笑福亭鶴瓶 日曜日のそれ』ニッポン放送)。
結婚したほうがいろいろなしがらみから解放されるという意味合いから発せられたようだ。そのときはなんとなくわかるような気がしたくらいだった鶴瓶の言葉を、今、大河ドラマ『鎌倉殿の13人』(NHK)を見て改めてなるほどなあと噛み締めている。
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『鎌倉殿の13人』なかなかクセがある役
鎌倉幕府の執権として成り上がった北条義時(小栗旬)の物語『鎌倉殿の13人』で新垣は八重という伊豆の豪族の姫を演じている。黒髪ロングの姫カットがお似合いの新垣結衣にピッタリと思いきや、この役なかなかクセがある。
(C)NHK『鎌倉殿の13人』
八重姫は源頼朝(大泉洋)の子供・千鶴丸をなしたが頼朝をよく思わない父・伊東祐親(浅野和之)に息子を殺されてしまう。頼朝も八重を捨てて北条政子(小池栄子)と結婚する。伝承だと八重という人物は嘆きのあまり川に身を投げて亡くなったとか義時と結婚したとか諸説あるようだ。
『鎌倉殿~』の脚本家・三谷幸喜は目下、八重をしぶとく生かし、政子とマウントの取り合いをさせている。まず、頼朝は決して本心を見せないとか寝汗をかくとか言って私のほうが頼朝のことを理解しているとマウントし、次には彼が夢枕に立ったとマウントする。そのたびピリピリする政子が面白い。
(C)NHK『鎌倉殿の13人』
どんなに張り合っても政子が正妻で昔の女に過ぎない八重だが嫉妬心や粘りの勢いは収まることはない。婚家から川向うの北条家をじとぉ~とした瞳で見つめているだけだとただのやばいオンナなのだが、頼朝の危機を救うため矢を放つなどの活躍もする(ここはかっこよかった)。
いまのところ政子と頼朝の子供は女性なので、男子の千鶴丸が生きていたら八重にもワンチャンあるのだが、残念ながら千鶴丸はすでにこの世の者ではない。夢も希望もなくなって八重はどうするのか……と今後が気になる。