採用試験の返事やコンペの結果で「ご縁がありましたら」と告げられる場合があります。「これっていったいどういう意味?」と疑問に思う人も多いのではないでしょうか。今回は「ご縁がありましたら」に込められた意味と、正しい使い方や注意点を紹介します。

「ご縁がありましたら」の言葉にはどんな意味がある?

「ご縁がありましたら」に込められた意味とは?使う時の注意点も解説
(画像=『Rolmy』より引用)

就職活動中に受けた採用試験の結果連絡で、「ご縁がありましたら」という文言を見聞きしたことがありませんか。

メールや文書に書かれている場合が多いですが、電話で告げられることもあります。
一瞬「どういう意味だろう?」と思いますが、おおむね不採用の場合が多いです。

「今回は不採用とさせていただきますが、またのご縁がありましたらよろしくお願いいたします」のように使われることが多いですね。

随分回りくどい言い方だな、と思うのではないでしょうか。
しかしこれは、本音と建前を上手に使いわける日本人ならではの断り方だと言えるのです。

ハッキリと「不採用です」とだけ告げられるよりも、次回また機会があるかもしれないという含みを持たせる柔らかい断り方ですよね。
ただし、面接時にその場で「ご縁がありましたらよろしくお願いいたします」と言われた場合には注意が必要かもしれません。

その時点では、まだ採用とも不採用とも決定してないからです。
面接担当者がその場で決断や返事をできない場合には、そう告げるパターンが多いですね。

この場合の最終決定は、上の立場の人や採用担当者がすることになります。
合否が決定次第、正式な結果が届くでしょう。

そのため、面接の場ではいったん「ご縁がありましたら」と告げられることになるのです。

そもそも「縁」とはどんな意味

「ご縁がありましたら」に込められた意味とは?使う時の注意点も解説
(画像=『Rolmy』より引用)

ところで、この「縁」という言葉にはいったいどのような意味があるのでしょうか?

「縁」は「えん」または「えにし」と読み、もともとは仏教用語ですね。
物事や人との関係性を表す言葉です。

「そのようになる巡り合わせ」や「関係を作るきっかけ」などの意味があります。
男女の間柄や結びつきを表す言葉としても使われますね。

「前世からの縁」など、日本では古来よりさまざまな場面で使われる言葉でした。
スピリチュアルな意味があり、『運命』を表す言葉でもあります。

どうしようもなく不条理な場面で、自分や相手に言い聞かせる時に「これも縁だからしょうがない」というセリフが使われますよね。
そういった意味合いから、不採用など伝えづらい連絡の時に使われるようになったのかもしれません。

「ご縁がありましたら」をビジネスで使う場面とは

「ご縁がありましたら」に込められた意味とは?使う時の注意点も解説
(画像=『Rolmy』より引用)

「ご縁がありましたら」は、主にビジネスシーンで使われることが多い言葉です。
ビジネスシーンでは口頭やメールで使われます。

言いにくい事を伝える時に多用されるので、どちらかといえばメールで使われる場合が多いでしょう。
ここからは不採用の連絡以外では、どういった場面で使われるのかを詳しく見ていきましょう。

次回の期待を込めた連絡

「ご縁がありましたら」に込められた意味とは?使う時の注意点も解説
(画像=『Rolmy』より引用)

「ご縁がありましたら」は今回は残念ながら断ってしまうものの、次に機会があったらぜひ一緒に仕事をしたい相手に伝える言葉でもあります。
たとえば今回の提案は不採用だったが、ぜひまた提案して欲しいと思った相手に対して使うのに最適です。

その場合は「今回の提案は不採用とさせていただきましたが、ご縁がありましたら次の機会にも御社の提案を期待しております」のように使います。
「ご縁がありましたら幸いです」や「ご縁がありましたら、ぜひ今後ともよろしくお願いします」なども、次回に続く可能性がある言い方です。

コンペの提案や仕事の誘いを断る時の連絡

「ご縁がありましたら」に込められた意味とは?使う時の注意点も解説
(画像=『Rolmy』より引用)

競合コンペや、先方からいただいた仕事の誘いを断る場合にも「ご縁がありましたら」の文言を使います。
断りにくい案件や気を使う取引先に対して、丁寧に断りたい時に適している言い方です。

例えば「今回は遠慮させていただきます」だけだと、ちょっと冷たくて失礼だと感じてしまいますよね。
こんな場合は「またのご縁がありましたら、よろしくお願いいたします」と一言添えておくと柔らかい印象になります。

自社よりも商流が上の会社からの誘いを断る時など、返事に気を使う場面で役に立ちます。
相手に不快感を与えないように、メールの文章を締めくくる時に使うと良いでしょう。

相手から断られた場合の返信にも使える

「ご縁がありましたら」に込められた意味とは?使う時の注意点も解説
(画像=『Rolmy』より引用)

こちらから提案した時に、相手に断られることもありますよね。
相手からお断りの連絡が届いた場合、こちらから再度了承のお返事を差し上げなくてはなりません。

そんな時にも「ご縁がありましたら」の文言が使えるのです。

具体的な使い方としては「今回は私どもの力不足で、御社様のご期待に添うような提案ができずに申し訳ございませんでした。ご縁がございましたら、次回以降もよろしくお願いいたします。」のようになります。

このように、「ご縁がありましたら」の文言は断られた側が使うこともできるのです。
使い方によっては、今回はダメだったけれど次回以降にチャンスをつなげられる可能性が生まれるかもしれません。

志望動機の最後に伝える

「ご縁がありましたら」に込められた意味とは?使う時の注意点も解説
(画像=『Rolmy』より引用)

こちらは、就職の面接を受ける側が使う場合の言い方です。
面接の最後に「なにか最後に一言ありますか?」などと面接官に聞かれることがあります。

その時に、「御社とご縁がありましたら○○の経験をいかして○○の業務で貢献していきたいです」などの言い方でアピールすることができます。

最後の一言を求められて、言葉に困った時に使うと良いでしょう。
この最後の一言で人間力や、とっさの対応力を見る面接官もいますのでぜひ試してみてください。

面接の最後だけでなく、志望動機を書くエントリーシートなどの最後に同様の言葉を書き添えるのもおすすめです。
具体的でありながら、熱意と誠意が伝わる一言になるでしょう。