ディーン・フジオカが初めて企画・プロデュース&主演を務めた映画『Pure Japanese』が、2022年1月28日(金)から全国公開されている。

ディーン・フジオカ、初プロデュース映画の切腹シーンは「ベンチプレス3桁上げてる感覚」
(画像=『女子SPA!』より引用)

左から、ディーン・フジオカ、松永大司監督

 過去にトラウマを抱えた主人公・立石のアクション俳優としての生き様を通じて、善と悪が根源的に問われる本作。監督は、『トイレのピエタ』(2015)や『ハナレイ・ベイ』(2018)などの松永大司が務め、立石が体現する狂気の世界を鮮烈な筆致で描く。

 今回は、主演のディーンさんと松永監督にインタビューを行なった。主演の他、企画・プロデュースも兼任した本作への熱い想いや、立石役が体現しようとするものについて聞いた。

「俳優ディーン・フジオカに相当負担をかけた」立石役

ディーン・フジオカ、初プロデュース映画の切腹シーンは「ベンチプレス3桁上げてる感覚」
(画像=『女子SPA!』より引用)

©2021「Pure Japanese」製作委員会(以下、同じ)

――立石役は、ヒーローなのか、アンチヒーローなのか、はたまた悪者なのか、よく分からない複雑なキャラクターでした。この役を演じてどうでしたか?

ディーン・フジオカ(以下、ディーン):俳優ディーン・フジオカに相当負担をかけたなと思います(笑)。

松永大司(以下、松永):(笑)。

ディーン:立石は、不条理の中で捻り潰されて、海の藻くずのように消えていく存在です。「なんでこの人こういうふうになってしまったんだろう?」という疑問が編集が終わるまで続きました。最終的にピクチャーロックをしてからもストーリーが変わるぐらい重層的な物語になっていて、立石を筆頭に、いろんなキャラクターに社会の縮図を込めています。でも大小ありますが、意外と立石のような人いますよね?(笑)

善と悪では説明のつかない立石というキャラクター

ディーン・フジオカ、初プロデュース映画の切腹シーンは「ベンチプレス3桁上げてる感覚」
(画像=『女子SPA!』より引用)

松永:その人が善か悪かは、立場が違えばまったく変わるんです。物事のバランスは複雑で、善と悪をみんな兼ね備えています。立石のように、誰かを守ろうとすれば、他の誰かにはそれが暴力かもしれません。

 その意味で本作は立石のキャラクターが善と悪では説明のつかない複雑さを持っているんだと思います。そうした作品をディーンさんが企画し、それにのってみたいなと僕は思いました。すごく大きな挑戦だったと思います。立石のことを、善だと思う、悪だと思う、被害者だと思う、加害者だと思うと、意見が違っていいんです。

 そのぐらい、いろんなレイヤーで作られています。立石はある人にとっては、ヒーローでいいですし、ある人にとっては悪者でいいんです。そういう化学反応がある映画にしたいなと思い、最後までディーンさんとディスカッションを続けました。