まとまった退職金があったり、老後のための貯金をしっかりしていても、いざ定年を迎えて老後生活を送るようになると、計画通りに行くとは限りません。今回は、現役時代に安定した収入があったにも関わらず苦しい老後を迎える可能性のある事例を3つご紹介します。

海外旅行に豪華クルージング!大金を前に散財してしまったMさんの事例

年金暮らしのMさん夫妻の年収は2人合わせて250万円ほどですが、会社の退職金が約2,100万円ありました。さらに、子どもが独立し結婚したこともあって、退職のタイミングでそれまでかけていた生命保険を思い切って解約、解約返戻金として約700万円を受け取ったことで、預金残高は退職前の約300万円から、突如3,000万円を超えました。

「老後2,000万円」と聞いて頭に残っていたMさんは、これなら余裕を持った暮らしができそうだと、現役時代はなかなか行けなかった夫婦水入らずの海外旅行や憧れの豪華クルージングなどに頻繁に出かけるようになります。

とても楽しく過ごしておられたようですが、急に旅行や孫へのプレゼントにつぎこむようになった2人を見た息子さんが不安に思い確認したところ、支出が収入を大きく上回っていて貯金をハイペースで崩していっている状態だということがわかりました。

老後に貯金を崩していくのは普通のことですが、Mさんの場合、65歳の退職時に3,000万円あった貯金はわずか3年で2,000万円を切りました。この調子で行けば70代後半、女性の平均寿命より10年早い段階で貯金が完全にゼロになります。