「退職金がしっかり入ってくるから老後は安泰」とは限りません。一般的には充分な額の退職金を受け取った方でも、金銭感覚次第で「あれ?あんなにあったはずなのに、足りない……。」ということになってしまうかもしれません。Sさんの例をもとに老後の生活を考えてみましょう。
定年祝いに退職金で豪遊!余裕の老後のはずが……
大手メーカーで勤務していたSさんは、60歳で定年を迎え、2,500万円の退職金を手にしました。
Sさんの50代前半時点での年収は約1,000万円、それが55歳で役職定年を迎えると800万円を切る程度になり、60歳で無職に。一般的には、収入が激減したら生活もサイズダウンして、定年後は退職金を少しずつ取り崩しながら年金で暮らしていくという方が多いのですが、Sさんは違いました。
いちばん稼いでいた時代の贅沢なお金の使い方や習慣がどうしても抜けず、家計のやりくりなどほとんど意識しないまま、趣味のグルメやゴルフなど豪快に費やしてしまいます。Sさんの妻も同じで、今までそれほどお金の管理に励まなくてもなんとかなってきたこともあり、特に危機感なく過ごしていました。
退職金という大金が入ったことでそれはさらにエスカレートし、「定年を迎えた自分へのご褒美」として夫婦で旅行三昧。でも、63歳になってふと、元々の貯金とあわせて3,000万円はあったはずの老後資金が、たった3年で半分以下まで減っていることに気付きます。
65歳から老齢年金を受け取る予定とはいえ、その額は夫婦合わせて月20万円ちょっとです。取り崩し方から察すると、Sさんは月平均40万円近い支出がありますので、大赤字です。貯金を取り崩していくにしても、このままのペースでは70代になるまでになくなってしまう可能性すらあります。
夫婦の家計が行き詰まった原因
Sさん夫妻の家計が行き詰まったのは、主に次の3つが原因です。
- お金に無頓着
- 長期的な視点で計画を立てていない
- 収入に合わせた家計のサイズダウンができていない
あまり深く考えずに、お金がたくさん入ったからたくさん使う、これは失敗の元です。老後、といっても定年から平均寿命までまだ30年近くあります。退職金は「今まで何十年も働いてきたご褒美」と思って使ってしまいたくなるかもしれませんが、それは長い老後を生き抜くために必要な資金です。
定年までの貯金、退職金、そして年金で最期まで暮らせるように、計画的に貯めて計画的に使うことが大切です。老後の贅沢を楽しむなら、長期的な視点で資金計画を立ててから、問題のない範囲で使うようにしましょう。
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