推しは私に、新しいものの見方を教えてくれました

――推し活を始めて一年くらいだそうですが、想いが冷めてきたということはない?

「まだ大丈夫です。推しは私に、新しいものの見方を教えてくれました。新しく知った世界に対して『なるほど、こういう風に楽しむのか』と気付かせてくれて。 さらに今は箱推しになっているので、複数の視点で楽しむ方法もわかるようになって。本当に毎日が楽しいです」

――そういえば、エッセイの中で推しが写っている画像から隣にいる人を切り取ったというエピソードがありましたね。後になってスーさんが切った方のファンが全く同じことをやっていて衝撃を受けたという。あれ、とても良い話ですよね。

「私、その時に『はぁ~!』ってなったんですよ。そうか、価値って相対的だからナンバーワンは同時に何人も存在するんだって。私にとって推しがナンバーワンだし、向こうにとっては違う人がナンバーワン。

この『うわぁ~!』って気持ちを授けてくれただけでもありがたいって思いました。これは推し活をしていなければ気づけなかったことです。友達にいきなり電話して『価値は相対的なんだよ!』って語ったりしてクレイジーになってました(笑)」

推し活が恥ずかしいうちは推し足りてない

――推し活を始めたことは、周りの人々からはどんな風に受け止められていますか?

「最初は完全にかわいそうな人って扱い(笑)。『好きなものができて良かったね』って言いながら一歩退いた反応でした。でも最近は一緒に現場に行ってくれる子も増えてきましたね」

――推し活、満喫してますね。でも推しに夢中になっていることを周囲に打ち明けるのが恥ずかしいと感じている女性も、いまだに数多くいると思うんですけど、それについてはどう思いますか?

「全然気にしなくていいと思います。自分がハマってみてわかりましたけど、周りが何言っててもマジ関係ない。そんなところにリソース割いていられないですよ」

――胸を張っていけ、と。

「昔、ヨン様がブームの時に熱狂的に追いかけてるおばちゃんたちが散々揶揄(やゆ)されてましたけど、自分に推しができてわかったのは、あの人たち全くそういうの気にしてなかったんだろうなって。だから、恥ずかしいうちは推し足りてないってことじゃないですかね」

――金言、出ましたね!

「『あっち行っちゃったか……』みたいなこと言われても今は何も気になりません。

この前、Instagramで質問を募ったんですが、『休日は何してますか?』『好きなタイプは?』と書かれている最後にみんな必ず『推し以外で』って付け加えてるんですよ。もう、みんなウンザリしてる。でも推し以外の答えはない(笑)。だからその手の質問にはひとつも答えられなかった。かといって誰かに迷惑をかけてるわけじゃないんだから、それでいいかなって」