出羽三山(でわさんざん)とは、山形県にある霊場で月山(がっさん)、湯殿山(ゆどのさん)、羽黒山(はぐろさん)の三山の総称です。1,400年の昔より修験道の霊場として多くの信仰を集める聖域です。今回は三山の中でもアクセスしやすく、月山、湯殿山、羽黒山の三神合祭殿で三神を一度に祀ってある羽黒山を中心に出羽三山を紹介します。
出羽三山とは
リード文にも記載したとおり、日本有数の霊場で月山、湯殿山、羽黒山の三山の総称です。三山のうち、月山は前世(過去)、羽黒山は現世(現在)、湯殿山は来世(未来)を表すとされており、出羽三山詣では「生まれ変わりの旅」として広く知られるようになった神聖な場所です。
月山
三山の主峰で、標高1,984mの山頂にある月山神社本宮では、月を象徴する神とされる「月読命(ツクヨミノミコト)」が祀られています。
月山は高山植物の宝庫でもあり、夏季には人気のハイキングコースとして賑わいます。また夏でも雪が残っており夏スキーが楽しめるなど、参拝以外にも人気の山です。
湯殿山
標高1,504mの中腹に湯殿山神社本宮があります。本宮の参拝には、履物を脱いで裸足になり、お祓いを受けてからでなければお参りはできません。
また本宮までは直接アクセスできません。有料道路終点の大鳥居がある駐車場より本宮参拝バスに乗り換えて向かいます(片道約5分)。本宮内の写真撮影は禁止となっています。
羽黒山
標高414mの羽黒山は、五重塔や杉並木、滝などの見どころも多く、山頂には月山、湯殿山、羽黒山の三神を祀る三神合祭殿が鎮座している出羽三山の中でも中心的な存在です。入口となる随神門から三神合祭殿がある山頂までは、1,700m約1時間の道のりです。以下より、山頂までの道のりを紹介します。
随神門
出羽三山の表玄関です。門より内は三山の神域となります。三神合祭殿がある山頂まで続く2,446段の石段のスタート地点でもあります。
杉並木
樹齢350年から500年と言われる巨大な杉の木が580本以上立ち並んでおり、神域ならではのおごそかな雰囲気を感じる事ができます。中には樹齢1,000年を超えると言われる老木で、国の特別天然記念物に指定されている「爺杉(じじすぎ)」もあります。
末社
末社とは、本社と縁の深い神々をお祀りする神社です。出羽三山では百一末社と呼ばれ、三山内には多数の末社が散在しており、羽黒山の境内にも数多くの神々がお祀りされております。
神橋・須賀の滝
随神門をくぐって唯一の下り坂である継子坂(ままこざか)を降ると、境内を流れる祓川(はらいがわ)にかかる朱色の橋と、祓川に流れ落ちる須賀の滝が姿を表します。昔三山に参拝する人は、必ずこの川で身を清めてから参拝に出向いたという由緒ある場所です。