朝6時、義母に帯をぎゅうぎゅうと締められて
「『さあ、明日は6時から着付けするからもう寝ましょう』と……。結婚したときに私用の着物を仕立ててくれていて嫌な予感はしていたんですけど、まさか元旦早々マジで着させられるとは……。
しかも元旦のスケジュールが超ハードだったんです。まだ眠くてフラフラしてる状態で義母にぎゅうぎゅうと帯をしめられ、7時半までには御座敷の部屋にクロスや食器などを美しくセッティングして揃って朝食。お屠蘇(とそ)はお上品に一人一杯までしか飲みません。
そして午前中のうちに近所の本家へのご挨拶と初詣に行き、帰ってお客様用の料理を大量に作ります。もちろん、ずっと着物のままで。そして午後になると、義父の事務所の人や義母の教え子などが続々と年始の挨拶にやってくるので、延々と接待が続きます。
愛想笑いしながらお酌を繰り返す間、実家に帰りたくて本気で何度か泣きそうになってしまいました」
風呂敷 桜井さんが苦しい着物をやっと脱ぎすてられたのは、夜9時過ぎ。やっと責務から解放されたと思いきや、翌日も翌々日も朝から着物を着させられ、親戚や仕事関係者などへの挨拶や食事会などに連れ回されたそう。
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