蔵王連峰の西の麓、標高900メートルに位置する蔵王温泉の開湯は、およそ1,900年前で日本屈指の古湯と言われています。開湯以来、毎分約5,700ℓもの豊富な湯量を誇り、全国でも珍しい強酸性の湯は、健康促進や美肌効果が高いことでも有名で、多くのファンがリピーターとなっています。今回は、蔵王温泉で、創業1,000年以上の人気宿、2012年には、TV『厳選いい宿ナビ』でも紹介された「おおみや旅館」をご紹介しますので、ぜひ訪れて、ツルスベお肌を手に入れてください。
蔵王温泉の歴史
西暦110年頃、日本武尊(ヤマトタケルノミコト)の蝦夷征伐に従った、吉備多賀由(キビノタガユ)により、発見されたといわれています。そこから多賀由温泉と名がつき、高湯温泉と変化し、現在の蔵王温泉となりました。
東北で“高湯”の名が付く温泉は名湯が多く、山形県内の白布温泉、福島県の高湯温泉と並び、「奥州三高湯」とうたわれていました。江戸時代になると、蔵王権現への西側登山口としてにぎわい、大正時代には麓の集落と温泉を結ぶ道路の開通や、様々な施設が設置されます。
昭和に入るとスキー場もオープンし、付近には有名なお釜があることや、快適なドライブルートなども整備され、その後の人気は皆さんもご存知の通りです。
美肌の湯と名高い理由
蔵王温泉は強酸性の硫黄泉です。硫黄泉は、皮膚から毛細血管に吸収されると、血管拡張作用を持つので、血流がよくなります。そんなことから、高血圧や動脈硬化などの循環器系疾患に対する予防効能があると言われています。また皮膚の角質を軟化させ、殺菌作用もあるため、皮膚疾患の改善効果が期待できます。
さらに、ニキビや吹き出物を治す、メラニンを分解して美白を促すなどの美肌効果もあることから、別名「姫の湯」とも呼ばれているのです。血管の若返りと殺菌による美肌効果は、まさに「美人への湯」ともいえるではありませんか?!
おおみや旅館の魅力
蔵王温泉屈指の老舗宿「おおみや旅館」の創業は、1,000年以上前になります。現在の館主は33代目、代々「近江屋八右衛門」と呼ばれているそうです。
お宿は、高湯通り奥の高台に位置し、温泉街を見下ろすように建っています。裏手には温泉神社、足元には共同浴場の1軒、上湯があるという好立地です。
居心地の良さに癒される
館内には、先々代の館主が集めたという竹久夢二の版画が随所に飾られており、照明やステンドガラスなど、トータルコーディネートされたインテリアは、まさに大正ロマン漂うノスタルジックな佇まい。
客室は、モダン和室、レトロ風和室など、4タイプのお部屋が用意され、木のぬくもりや、優しい色合いに、ゆったりとくつろげる空間です。
また全館畳敷きなので素足に心地よく、気になる方には、足袋ソックスも用意されています。このお宿には、エレベータの設置がないので、階段の上り下りが多めになります。足腰に自信がない方は、系列ホテル(蔵王国際ホテル、蔵王四季のホテル)への宿泊がお勧めです。