リベンジ消費で思わぬ副作用も

 2021年も年末に来てオミクロン株の感染拡大が問題視されていますが、今年の春ごろから年末に至るまでの間は、先進国を中心に新型コロナに対するワクチン接種も進み、それとともに感染状況も徐々に落ち着いてきました。  

各国は行動規制を緩和し、新型コロナウィルスを克服したあとの世界経済を見据(みす)えた動きも出てきました。  

企業も少しずつ前向きになり、消費者もリベンジ消費といわれるように、今まで我慢したり買い控えしてきた消費行動を積極的に行うようになってきました。そのため思わぬ副作用も生まれたのです。    

色々とあるのですが、ここでは原油高、特にインフレを取り上げたいと思います。 

進む値上げでアメリカが金融引き締めへ

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(画像=『女子SPA!』より引用)

 リベンジ消費といっても、そう簡単にコロナ以前の生産の仕組みや体制に戻れるわけはありません。  

コロナでリストラした船やトラックなどの輸送システムも新たな需要に追いつかず、全体的に需給のバランスが崩れてしまい、アメリカでは39年ぶりの高い物価高、インフレになってしまいました。年率6.9%(2021年11月)という驚くような水準になっています。  

日本でも今年に入って、食料品を中心に値上げが進んでいます。食用油、マヨネーズから、ガソリンや灯油、電気代まで家計を直撃しています。  

全体としてはまだまだ安定しているのですが、アメリカはもう見過ごせない水準になっています。そのため、今までの金融緩和政策を縮小し転換する方針を打ち出しています。  

これは、株価にとってはマイナス要因です。アメリカの金融当局の引き締めは、どのタイミングでどれほど行うのか世界中の市場参加者は固唾(かたず)を飲んで見守っています。それは、もちろん日本の株価にも少なからず影響を与えるでしょう。  

来年の経済を考える上で考えておきたいことの一つはアメリカの金融引き締めです。  さらにもう一つ不穏な動きがあります。

それは、世界第2位の経済大国・中国発の経済不安です。