株価が上がり続けた理由

 そして、世界の株価は驚くほど上がりました。  

新型コロナウィルスが世界を覆(おお)い始めた2020年の3月ごろは株価が下がる局面もありましたが、それ以降はほぼ一本調子でこの秋まで上がり続けたのです。日本も同様です。  

日本は1991年8月以来、ほぼ30年ぶりに日経平均が3万円台を回復したのです。経済成長も個人消費もそれほど伸びてはいないのに、なぜ株価はこれだけ高騰したのでしょうか。  

多くのマーケット関係者の一致した意見は、世界中の当局が行った徹底した金融緩和です。  

金融緩和とは、金利を下げたり、市場に資金が行き渡るように、徹底的に世の中にお金を供給することです。  

日本は数年前にマイナス金利政策をとったあとも、さらに金融緩和政策をし続けています。中央銀行が市場に資金を大量に供給するだけでなく、株式などのリスクのある資産を所有し市場を買い支えました。  

さらに、市場にあふれた資金は、工場建設 や社員教育、研究開発といったものに向かうのではなく、再び金融市場に還流し投資されました。そのため株価が上がったと言われます。

アメリカの中央銀行がドルを世界中へ流出

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(画像=『女子SPA!』より引用)

 アメリカの中央銀行である、FRBは500兆円とも言われる未曾有(みぞう)の金融緩和でアメリカ国内だけでなく、ドルを世界中に流出させました。  

このことによって世界の金融市場で、株式、債券、金、商品市場などに大量の資金が流れ込んだのです。お金が流れ込んで来れば、実体経済はよくなくても株価も金価格も上がっていくものです。  

これは、新型コロナウィルスで落ち込む各国の経済の底割れを阻止しました。