ヨガを数年実践している方なら、おそらく聞いたことがあるはずの「太陽礼拝108回」。 多くのヨガスタジオで年末年始の恒例行事になっていますが、皆さんは参加されたことはあるでしょうか?

気になっているけれどためらっている人もいるのでは?

ここでは太陽礼拝108回のルーツや効果効能、実践方法についてここでは詳しく解説。

太陽礼拝108回はどんな意味があるの? どんなルーツではじまったの?

『yoganess』より引用
(画像=『yoganess』より引用)

私自身気になってインド人のヨガマスター数名に直接聞いてみたことがあるのですが、「インドでは太陽礼拝108回というイベントはない」という先生ばかり。

てっきりヨガの伝統的な年末年始の練習方法なのかと思っていましたが、どうやらルーツは日本にあるようです。

誰が最初に「太陽礼拝108回」をはじめたのか残念ながらよくわかっていませんが、この10年で急速に人気が広まり、おそらく日本のどこかのヨガスタジオで最初に行われたのがきっかけなのではないかと考えられています。

ではなぜ108回なのか?これもよくわかっていませんが、日本の「除夜の鐘」がルーツだと言われます。

仏教では108には特別な意味があるとされます。

私たちの心にある煩悩の数が108個だという説、またお坊さんが持っている数珠も108個、人生の四苦八苦を取り除くための数(4×9+8×9=108)などさまざまな説があり、除夜の鐘を108回ついて鳴らすことで煩悩を一つ一つ取り除く効果があるとされます。

そして、太陽礼拝108回においても、「108個の煩悩を取り除く効果」を求めて心を込めて行うと良いとされるようになっているのです。

そもそも太陽礼拝とはどんなヨガのポーズなの?

『yoganess』より引用
(画像=『yoganess』より引用)

そもそも太陽礼拝とは12のポーズから成り立つシークエンス(ヨガのポーズを組み合わせた流れのある動き)で、この12にも「一年=12ヶ月」「12×2回=24(1日24時間)」、「五臓六腑に心包を加えた六蔵六腑の数」など、色々な意味があると伝えられています。

基本的には太陽に向かって1日の平和や健康のために祈りを捧げるヨガの動きと理解している人が多いですが、例えば一つの動きを1つの臓器にフォーカスして行ったり、1日や1ヶ月の出来事にフォーカスして行っても良いわけです。

いずれにせよ、非常に意味のある数字を持った動きであることは間違いありません。

太陽礼拝108回を行う場合の注意点はある?

太陽礼拝はヨガの中でも基本的な動作の組み合わせなのでほとんどの人に無理なく行うことができますが、108回行う場合はいくつかの注意点があります。

ポイント
・無理をしない
・体の特定の部位に負荷をかけすぎない
・呼吸を観察する
・途中で休むことも考慮する

太陽礼拝を108回行うのにかかる時間は個人差があり、リードする先生にもよりますが、おおむね90〜120分程度です。

かなりの長丁場なので、とにかく無理をしてはいけません

最初の30〜40回はウォームアップのつもりで行うくらいの方が良いでしょう。

さらに体の特定の部位に負荷をかけると、怪我のリスクが高まります。

よくあるのが手首や太ももの後ろです。

具体的なポーズで言えば「チャトランガダンダーサナ」というポーズからうつ伏せに行くときには、上級者でも伝統的なインドヨガの練習に則って「8点のポーズ(アシュタンガナマスカーラ)」という膝をついた状態で、うつ伏せになる方がいいでしょう。

なぜなら板のポーズ(腕立て)のままうつ伏せになるのは丹田(お腹)に力が入っていない場合、手首に相当な負担がかかるから。普段はなにも感じない人でも、50回を超えてくると手首に痛みが生じるケースが多いのです。

さらにダウンドックも気持ちが良いポーズですが、太ももの後ろ側を大きくストレッチする動きは日常生活にほとんどないため、翌日歩けないほどの筋肉痛になる人が多いです。

このように無理をしていないかどうかは、「呼吸」を観察するとわかります。

息が上がって「はあはあ」するようなら、途中であってもチャイルドポーズなどで休憩したりすると良いでしょう。