空の巣症候群の特徴と更年期との違いとは
子どもが成長して巣立った時、『やっと大仕事を終えた!これからは自分の時間が取れる!』とこの先の人生を謳歌できる女性はどれほどいらっしゃるでしょうか?
これまでは「お母さんお母さん」と散々頼ってきた子どもがいざ手を離れた時、心にぽっかりと穴が開いたように、寂しくて…虚ししくて…なにも手につかなくなってしまったという症状が出ている方、それはもしかしたら、更年期ではなく『空の巣症候群』かもしれません。
空の巣症候群になりやすいタイミングとは?
空の巣、つまり鳥の巣をヒナが巣立ったイメージからわかるように、子どもが結婚や就職、あるいは進学をしたタイミングに陥る傾向あります。
子どもが自立に向け、親の手から離れ一歩踏み出したタイミングが要注意なんです。親離れとは言いますが、お母様がたにとってはいわゆる❝子離れ❞と言われるタイミングにあたります。
では、実際にどんな特徴や症状があるのか、詳しく確認してゆきましょう。
空の巣症候群の特徴①:無気力・無関心
達成感が子育てのみにあったため、子どもが手を離れた今なにをやっても達成感を感じられなくなってしまい、
なにをするにもやる気が出ない…動きたくない…と無気力になるのは、空の巣症候群の典型的な症状と言えます。
生活の中心だった子どもが不在になり、時間的な強制もなくなったことにより、なにをしたらよいのかわからない・なにがしたいのかわからない、なにが楽しいのかもわからない…という症状もよく見られるものです。
空の巣症候群の特徴②:自信がない
これまでは子どもに尽くすことで、自分バランス・存在意義を感じられていたという方の場合は、急にその自分を保つ日々を失ったことにより、なにをしても自信が持てなくなってしまう傾向もあります。
今まではありがとう!と言ってくれる子どもがいたり、自分がなにかしたことが子どもの役に立っているという喜びがあったのに、それを感じる機会を失ってしまったことにより、自分を見失ってしまう症状もしばしばみられます。
空の巣症候群の特徴③:虚しい
なにか嫌なことや傷つくことが起きたわけでもないのに、理由もなく虚しい…心にぽっかり穴が開いてしまったように、ただただ心が寂しくてという症状も空の巣症候群でよくみられる症状です。
もちろん皆さん、今まで一緒にいた子どもが離れて育ってゆくことに、『なんだか寂しいな…』と感じるのは当然!という部分もあるのですが、空の巣症候群の場合は、虚しさや言葉にならないほどの不安感や孤独感になってしまうのです。
空の巣症候群と更年期との違い:心の中の問題と身体の問題
以上のような特徴から変調をきたし、身体のだるさや不眠などに陥ってしまうこともあります。
女性ホルモンのバランスの影響で体調に変化が起きる、更年期障害と似たような症状が出てくることもあるため、よく勘違いされてしまうのですが、空の巣症候群はまったく異なるもの。
❝母親という役割❞を失ってたというところから来る、心の中のものによって陥る症状、つまりこれは周りの理解や協力が必要な精神面のお話なんです。
空の巣症候群になりやすい人は?
空の巣症候群に陥りやすい方は、ずばり、❝子どもが趣味❞の方。良妻賢母でもあり、子どもと過ごす時間を一番にしてきた方でもあります。
子どものためにいつも一生懸命でよい面もあるのですが、子どもを優先しすぎるあまり、趣味を持たない方や、ひとりで外出したり友達と過ごしたりという時間を持っていない方、子どもを省くとご主人を会話が少ないという方も陥りやすいというデータがあります。
最悪の場合、離婚問題に発展することも
空の巣症候群の症状で行動する意欲も失ってしまい、乗り越え方を知らずにそのままでいると、離婚トラブルに発展してしまうケースもあるのです。
倦怠感や空虚感でまったく動きたくなってしまったり、体調も崩してしまったりということもあるため、これまでのように家事に手がつけられなくなってしまうということも…。
ここでは、具体的にどういった離婚トラブルが発生しがちなのかをケース別でご紹介します。
離婚トラブルの原因①:怠慢だと思われる
特に専業主婦の方とサラリーマンのご夫婦の場合、奥様にばかり子育ての負担が集中してしまいます。
これまで奥様がどれだけ一生懸命になってきたのかも伝わり切らず、母親として当然だなんて思われてしまい、空の巣症候群に理解がない男性も、残念ながら多いものです。
症状の特徴にもあるように、家事に力の入らなくなってしまった奥様をただの怠慢だ!と決めつけて、離婚話が持ち上がってしまうケースがあります。
離婚トラブルの原因②:子ども以外の共通点のなさ
子どもが巣立ってからというもの、ご主人と話す会話が子ども以外に見当たらなくなってしまう奥様もいらっしゃいます。
特に、子どもが趣味になってしまっていた奥様にとっては、楽しい会話が子ども以外にさほどなく、無関心になってしまっているため、ご主人と共通で話せる会話がなくなってしまうのです。
ご主人との会話も上の空になってしまうため、そんな妻の対応に離婚したいと思う男性も、もちろんゼロではありません。
離婚トラブルの原因③:八つ当たりをしてしまう
空の巣症候群の症状から不眠や倦怠感が続き、イライラが募ってしまったり、これまでの子育ての肩の荷が降りた途端にくる肩こりなどの疲労感によって、ご主人に八つ当たりを繰り返してしまう方もいらっしゃいます。
仕事から帰宅したご主人にとって、そのような日々が続いてしまうと、否が応でも一人の時間が欲しくなってしまうもの。それが悪化して離婚トラブルに発展してしまうなんてことも起こりがちです。
離婚トラブルの原因④:ご主人への愛情がない?!
空の巣症候群になってしまった奥様は、大半の愛情が子どもに向かっているため、ご主人への愛情を見失いがちです。子ども以外の夫婦の共通点や楽しみが失くなってきてしまっており、最悪の場合、こうなったのはそもそも主人が育児に協力してくれなかったからいけないんだ!とまで思ってしまう方も。
そのような状況ですと離婚した方がお互いのためによいのでは?!なんて会話にまでなってしまうケースもあります。