ヨガ哲学で幸せになる!八支則の「ヤマ」「ニヤマ」
「サマディ」という究極の幸せな状態に辿り着くには、「八支則」を一つずつクリアしていく必要があります。
まずは、ポーズを始める前に行うべき「ヤマ」「ニヤマ」です。
「ヤマ」は日常生活の中で禁じた方が良いこと、「ニヤマ」は日常生活の中で進んで行うべきことを示しています。
考え方や暮らしそのものを整えるための、計10個の教訓です。
まさに私たちが幸せを手にするために忘れてはならない教えだと思います。
筆者も初めてヨガ哲学を勉強した際には、ハッとさせられました。
この教えを守らずして、深い幸せな状態「サマディ」には辿り着けないのです。
ヤマ(禁ずること)
- アヒムサ:非暴力
- ・身体的暴力はもちろん、言葉の暴力も禁止。 ・自分自身に対してもアヒムサでなければなりません。
- サティヤ:正直
- ・嘘をつかないこと。正直で誠実であること。 ・他人にはもちろん、自分の心にも正直であることが大切です。
- アスティヤ:不盗
- ・盗まないこと。人の時間や空間、立場なども奪ってはいけません。 ・自己中心的な考えを捨てましょう。
- ブラフマチャリア:禁欲
- ・自己の利益ばかりを求めない。欲を持ちすぎないこと。 ・欲のエネルギーは大きいので、欲があると大切なことにエネルギーが注げなくなります。 (従来は、ヨガの鍛錬のために性欲を断つことを意味していました。)
- アパリグラハ:非所有
- ・必要以上に所有しないこと。貪欲さを捨てること。 所有するモノが多すぎると、本当に大切なものが見えなくなります。執着も生まれてしまいます。
ニヤマ(進んで行うべきこと)
- シャウチャー:清浄
- ・身体を清潔に保つこと。身の周りを整えること。 ・心も清潔であるためには、嫉妬や嫌悪といったネガディブな感情に振り回されないことです。
- サントーシャ:知足
- ・今あるものに感謝をすること。満たされていることに気が付くこと。 ・十分に足りていることを認識し、それ以上に求めないことが大切です。
- タパス:苦行
- ・苦行に耐え、悪い習慣を焼き払うこと。どんなときも努力を怠らないこと。 ・人生で起こる困難や試練を受け入れ、良い方向へ変えていく力を持ちましょう。
- スワディヤーヤ:読誦
- ・経典を読み、知識を得ること。学びを自らの知恵に変えること。 ・今の時代で言えば、正しい知識を得るために本を読む学び続けることです。
- イシュワラプラニダーナ:神性への祈
- ・信仰心を大切にすること。神に献身的に生きること。 ・無宗教である場合は、自分の中にある神聖なものを信じることでも良いと思います。 ・自分の力ではどうにもできないことを受け入れて、運に身を委ねましょう。
このあと、「八支則」は以下のように続きます。
アーサナ(座法)
ヨガのポーズのこと。
自分自身の身体をコントロールします。
プラーナヤーマ(調気法)
呼吸法のこと。
生命エネルギーである「プラーナ(=呼吸)」をコントロールします。
プラティヤハーラ(制感)
意識を内側に向けて、感覚をコントロールすること。
本当の自分を深く見つめます。
ダーラナ(凝念)
集中し、維持すること。
心を一点に集中させ、そこに向かうエネルギーを強化します。
ディヤーナ(瞑想)
プラティヤハーラとダーラナが深まることで、雑念がなくなり、瞑想状態に入ること。
自分と他という意識の境界線がなくなっていきます。
サマディ(悟り)
ディヤーナを長く続けることで得られる悟りの境地。
アシュタンガ(八支則)の最終段階です。