「HSS型HSP」HSSとHSPってなに?その特徴とは

「hss型hsp」をご紹介する前に、hssとhspにはそれぞれどのような特徴があるのか見ていきましょう。

「HSS型HSP」HSPの特徴

HSS型HSPとは一体どういうこと?特徴や向いている職業を解説!
(画像=PlusQualityより引用)

HSPとは1996年アメリカのエイレン・N・アーロン博士が考案した概念です。HSPとはHighly Sensitive Person の略で、病気や精神疾患などではなく、人よりも視覚や聴覚などの感覚が敏感で、感受性が豊かであるといった特性を持つことを言い、人口の5人に1人の割合でいると言われています。

HSPが刺激を感じやすい原因は、脳の不安や恐怖を感じたときに活動する部位である「扁桃体(へんとうたい)」の働きが生まれつき強いからです。

独立行政法人・放射線医学総合研究所が2010年に発表した研究によると、扁桃体の活動には個人差があるそうで、扁桃体が活発に働くHSPは、刺激に対して非HSPよりストレスを感じやすいとのことです。

さらに、HSPの過敏さには、神経伝達物質「セロトニン」も関係しており、精神科医の岡田尊司氏によると、セロトニンには扁桃体の興奮を鎮める役割があるものの「セロトニンを運ぶポンプの働き」が生まれつき弱い人がいるため、結果として扁桃体が過敏な状態になってしまうのだそうです。

このようにHSPの人がなぜ敏感なのかは、脳科学的に説明できます。決して気のせいとか気持ちが弱いからなどが理由ではないと、立証されているのです。

HSPの人の特徴は4つ挙げられます。

・1つめは、脳内で受け取った情報処理の深さにあります。良く言えばじっくり考え抜き、洞察力が利きます。悪く言えば考えすぎとも言われます。ポジティブに捉えたときは、ひといちばい前向きにものごとに取り組めるし、いったんネガティブになると果てしなくリスクやだめなことしか見えない…と、どちらかに転ぶ傾向があります。

・2つめは、神経が過剰に興奮しやすいことが挙げられます。特に、集中して何かをしているときに、予期せぬちょっとした音や光、揺れに過剰なほどびっくりしてしまいます。単発的にどかんとくる刺激にも弱く、継続的にじわじわくる刺激も不快に感じられます。ですから、たとえ親しい間柄の人にでも、ずっと話しかけられていたりすると、ゲッソリ疲れたり、イライラしてしまうのです。

・3つめは、喜怒哀楽の感情反応が強いことです。感情を表に出す人も出さない人もいますが、感情を表に出さない人も、心の中では感情が高ぶっていることが多いです。また、共感力が高いのもHSPの特徴です。だいたい日本人は他人の様子を察する傾向にありますが、HSPの場合、脳のつくりの関係でその度合いが強く、他人の顔色だけでなく、体温やすれちがったときの風圧の強さにまで意味を持って感じられてしまいます。

・4つめはささいなことにすぐ気がつくことです。HSPの人は脳の中で目に飛び込んでくる情報をすべて処理するため、覚えてなくてもいいことも見てしまいます。人の倍頭が動いているため、活動時間が長い日は本当に疲れてしまって動けなくなるのです。

人があまり気にしないような所でもHSPの人は気がついてしまい、ストレスを抱えやすい傾向にあります。 一方ではHSPの人は周囲との調和を大切にするので、真面目で優しいと言われることが多いところも持ち合わせています。

HSPは特別な存在ではありません。5人に1人の割合なのですから、あなたのまわりにHSPがいるはずですし、あなた自身がHSPかもしれません。

タレントの田村淳さんや、モデル・俳優の最上もがさんなど、HSPであることを告白した有名人もいます。

「HSS型HSP」HSSの特徴

HSS型HSPとは一体どういうこと?特徴や向いている職業を解説!
(画像=PlusQualityより引用)

「HSS」は、心理学者のマービン・ザッカーマンが提唱した概念です。HSSとはHigh Sensation Seekingの略です。活動的で刺激を追い求める性質を持つ人たちのことで、その特性は「いつもブレーキとアクセルの両方を踏んでいる」と表現されます。

好奇心が強く、新しいことに興味が次々と湧く特徴を持つため、周囲からは積極的でかなり行動的な性格という風に見えるでしょう。反面、次々と新たな刺激を求めてしまうため、1つのことを長続きさせることが苦手な傾向にあります。

・飽きやすくて移り気 ・刺激を求めてしまい、周囲の言動を退屈に感じる ・衝動的な行動が目立って、周囲からの信用を失ってしまう

人間関係やコミュニケーションスキルに悩み、カウンセラーの元に相談に来る人は自分の問題点としてこう挙げ、HSSであることを指摘され初めて知る人が多くいます。

<HSS特有の悩み>

本当の自分と周りから見える自分のギャップに悩む 本来の自分は繊細で傷つきやすいのに、活動的な気質が前面に出てしまうため、「いつもポジティブで元気」「心臓に毛が生えていそう」など、真逆の印象を持たれてしまいます。誰にも理解されないという悩みをいつも心に抱いています。

リーダーや幹事を任せられ、そつなくこなすが、あとでぐったり疲れる エネルギッシュで社交的。話をしても楽しい人が多い上に、HSPの気が利く特性も持ち合わせているため、リーダーや幹事に適任です。しかし、任されるとがんばりすぎてしまい、任務が終わるとぐったりしてしまいます。

人に関わりすぎて背負わなくてもいい責任を負ってしまう リーダーなどを任されやすいだけでなく、正義感も強いので、人間関係の揉めごとの渦中に身を投じてしまいがちです。「自分のせいでこうなった」と思ってしまうこともあるため、背負わなくてもいい責任を背負ってしまいます。

「繊細な人」の気質があるのに活動的になりすぎ、刺激過多で疲労する エネルギッシュに動き回っていたと思ったら、急に電池が切れたように元気がなくなります。HSPと同じ刺激への対処をすることでオーバーヒートを未然に防げます。刺激を追求したあとはリラックスして休む時間を作るようにしましょう。

同じHSPでもHSSの悩みは、通常の刺激を感じやすいHSPとは多少異なります。しかし、刺激によってダウンしてしまうのは同じです。

HSSとHSPは対照的な2つの性格ですが、どちらにも共通して言えることは、病気や障害ではなく、その人が持って生まれ持った気質ということです。

HSS型HSPってなに?その特徴とは

一見正反対な気質と思われるHSSとHSPですが、最近では「HSS型HSP」といった2つの気質を持ち合わせる人もいることが明らかになっています。

繊細で傷つきやすく、感受性豊かで内向的というのが、一般的なHSPの特性です。このHSPの特性を持ちながら、外に対して自ら刺激を求める特性を併せ持つタイプの繊細な人がいることが明らかになり、High Sensation Seekingの頭文字を取って、「HSS型HSP」(刺激追求型HSP)と呼ばれるようになりました。

HSSは人口の5人に1人の割合でいると言われているHSPのうち30%しかいない、つまり人口の約6%しかいないマイノリティです。

そんなHSS型HSPとは一体どのような気質なのでしょうか。ここからはHSS型HSPについて見ていきます。

HSS型HSPの特徴

HSS型HSPとは一体どういうこと?特徴や向いている職業を解説!
(画像=PlusQualityより引用)

「HSS型HSP」とは、HSSではあるがHSPの気質も持つ人のこと言います。一体どのような特徴があるのでしょうか。それは、HSS型HSPの人はHSSの特性に従って刺激を求めて行動をするのに対して、HSPの特徴も併せもつため、刺激を受け続けて疲れてしまうというものです。

例えば、新しい環境に移ったり、人前で何か発表する時など、通常のHSP気質の人にとってそのような環境は刺激を受ける絶好の場であるため、あまり苦にならないでしょう。

しかしHSS型HSPの気質を持つ人は、積極的に行動は好むけれど、自分の思っている以上にHSSの部分に肉体的にも精神的にも力を注いでしまい、そのスイッチが切れるとどっと疲れたり、休日は何もしたくないという状態になってしまうのです。

HSP/HSSは共に、とても素晴らしい能力であり個性でもあります。

しかし、恵まれた才能があり好奇心旺盛だけど傷つきやすく、刺激を求めるけど疲れやすいのです。いろんな情報を気にしすぎて、敏感になって、とにかくストレスを溜め込みんでいく…という人も少なくありません。気にしないようにしても気になってしまう…このように感じやすく悩みやすいゆえ、せっかくの才能を社会で発揮できず、生きることに疲れてうつ病になったり、人間関係でボロボロになってしまう方も多く見受けられます。

「じっとしていられない」「熱しやすく冷めやすく、飽き性」という特性は、一見すると発達障害(ADHD)のようにも映るため、自分が発達障害だと思い込む人も少なくありません。確かに似ている部分もありますが、HSPには発達障害のように注意散漫なところや空気を読めないという部分はなく、一つのことに向き合うのであれば、ミスもなくしっかりパフォーマンスを発揮できますし、社会に適応もしています。

あなたの身の回りにも、とてもアクティブに動き回っているのに、なぜか急に「できない」と言い体調不良で会社を休んでしまう人がいないでしょうか。そういえば自分にもそういう過去がある!なんて人もいるのではないでしょうか。もし、そんな人がいたら、その人はHSS型HSPと言われる気質の人かもしれません。

HSS型HSPの上手な付き合い方

HSS型HSPとは一体どういうこと?特徴や向いている職業を解説!
(画像=PlusQualityより引用)

もし自分がHSS型HSPの傾向があると自覚した場合、HSS型HSPの特性とどのように付き合っていけば良いのでしょうか。先程述べたHSS型HSPの特徴を踏まえて、ここではHSS型HSPの特性をコントロールするための2つの方法をご紹介していきます。

1つ目は自分がHSS型HSPであるという方は、自分のペースを掴むことが大切ではないかと考えられます。

HSS型HSPは刺激を求めて行動する反面、その行動力に精神や体力が追いつかず、非常に疲れてしまいます。さまざまなことに興味を持ち、行動をすることは素敵なことですが、一旦立ち止まり、自分のキャパオーバーをしていないかを確認することが必要でしょう。

いち早く商機を察知し、周りの人を巻き込んでいかに自分の思いつきが有益か語ることを、“大風呂敷を広げる”と言いますよね。HSS型HSPの人は特に人より気づきが多いため、そのような立場に立つことが多いのではないでしょうか。

そこで広げた風呂敷を適切に運用して、畳んだり広げたり自在に操れる人こそが、有能な経営者と言えます。しかし、仮に広げるまでしかノウハウを知らないのにビジネスを急発進させてしまっては、決して進展せず、むしろ大失態を犯してしまうでしょう。全て自分で運用するのではなく、お金の管理や資金の管理など、適材適所に自分以外の人材を配置して、それぞれのキャパシティの中で存分に力を発揮できるように、人の力を借りながら行動するのを忘れないようにしてください。

ビジネスマンでなくとも、HSS型HSPは信頼されます。町内会や子供の学校行事、友達との集まりなどあらゆる場面で、新しいアイデアを持って意見し、行動的な人としてリーダーに任命されるでしょう。もちろん当日は率先して参加できます。しかし一方で、翌日は疲れ切ってしまうのです。

できればそれとなく補佐役に回って、みんなが気がつかないポイントを指摘するなど、できれば全てを引き受ける役職につかないようにしましょう。もしくは全力で参加し、理解ある家族やパートナーなどに、回復するまでの日々をサポートしてもらうのが理想です。

2つ目は身近にHSS型HSPの人がいる場合です。もし身近にHSS型HSPの気質を持つ人がいるならば、本人に疲れていないか聞いたり、表情や様子を見て休憩をとることを提案することがおすすめです。

HSS型HSPの人は自分では気づかないうちに非常にストレスやプレッシャーを感じています。しかし、それを覆い隠してしまうぐらい積極性と行動力のせいで、自分と同様に周囲からも気づかれにくい部分があります。

もし身近にHSS型HSPの気質を持つ人がいるならば、一言声をかけることが良いでしょう。HSS型HSPの人はスタートダッシュが得意な分、その後のペース配分が苦手という見方もできます。それゆえ、周りが少しペースを気にかけてあげることで、無理なく続けていくことに繋がるかもしれません。

また、仕事で指示するときに、根拠を示してあげることが大事です。やたら「やれ」って言われると、「なんでやらなきゃいけないんだろう」と考え始めてしまって業務が止まってしまうことも多々あります。根拠はネガティブでもポジティブでもどちらでもいいのですが、筋の通った理由を伝えると本人も納得し、行動を始めやすいそうです。

HSS型HSPの特徴が生かせる職業ってあるの?

HSS型HSPとは一体どういうこと?特徴や向いている職業を解説!
(画像=PlusQualityより引用)

好奇心旺盛だけど、繊細な心を持つHSS型HSP。特徴を活かせる職業とはどのようなものでしょうか。

ここからはHSS型HSPにおすすめな職業を4つご紹介していきます。

hss型hspの特徴が生かせる職業①在宅勤務ができる職業

HSS型HSPとは一体どういうこと?特徴や向いている職業を解説!
(画像=PlusQualityより引用)

HSS型HSPの人は自分からも刺激を求めますが、周りからの刺激も受けやすいと言えます。そのため職場の人間関係などもストレスと感じることも多いでしょう。急かされたり、仕事ぶりを見られたりすると緊張して力が発揮できなくなったり、テンパってしまいます。自分とは関わりがないことでも、想像以上に周囲の人のちょっとした言動が大きな不安やプレッシャーとなっている場合があります。

そのため、HSS型HSPの人は在宅勤務といった周囲の動きを気にせず仕事ができる環境を選ぶことが望ましいでしょう。周囲の動きが見えないため、今までストレスと感じていた人間関係や集団行動に左右されず、自分のペースで仕事ができます。HSS型HSPの人は無意識で様々な刺激へのアンテナを常に張っているため、人混みや周囲の人間の悪い感情に巻き込まれるため、通勤するだけで心身ともに消耗してしまうのも一つの原因です。