老後生活をふまえた貯金の考え方
老後が延びているということは、それだけ確保するべき生活資金も増えていることを示しています。年金や退職金など、老後の生活資金にまわせる原資もありますが、必ずしもそれだけでは十分とは言えません。
ここであらためて、老後に必要なお金がどのくらいなのかを試算しつつ、年金以外に必要となる支出額を精査し、貯金をスタートするべき時期について検討してみましょう。
老後に必要なお金はいくらか?
総務省「家計調査(2017年)」をもとに作成された「市場ワーキング・グループ(第21回)」の資料によると、高齢夫婦無職世帯(夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみの無職世帯)のモデルケースでは、実収入が20万9,198円であるのに対し、実支出は26万3,718円(うち消費支出23万5,477円)です。
実収入と実支出の差は月で約5万5,000円。この差額が老後に貯蓄しておかなければならない必要額となります。老後が20年あるとすれば1,320万円、30年だと1,980万円という計算です。
貯金年数から月々の貯金額を割り出す
先ほどの「市場ワーキング・グループ」の資料では、65歳時点における金融資産の平均保有額を夫婦世帯で2,252万円、単身男性1,552万円、単身女性1,506万円と見積もっていますが、住宅ローンの返済などで目減りすることも多く、やはり不足額は貯蓄や投資によってまかなわなければなりません。
例えば2,000万円を貯蓄しようとした場合、月々5万5,000円を30年間貯めると1,980万円です。30年間ということは、35歳のときに貯金をはじめるイメージです。また25年(40歳)で計算すると月6万6,667万円、20年(45歳)では月8万3,333円です。
不測の事態にも備えて
もっとも、こうした資産はあくまでも平均的なパターンを想定したものでしかありません。より安心して老後を迎えるためには、不測の事態も考慮しつつ老後資産を形成しておくべきでしょう。そのためには、貯蓄だけでなく投資を含めた資産形成を検討することが求められます。たとえば35歳から資産形成をはじめた場合、65歳の定年まで30年の期間があります。この期間で月々5万5,000円の貯蓄をすると1,980万円でしたが、同じ金額でも、年利2%で運用することができれば、約2,710万円もの資産を蓄積できる計算となります(再投資・税金は考慮せず)。
無理のない範囲で継続することが大事
「市場ワーキング・グループ」の資料にもあるように、これからは「資産寿命」を延ばしていくための行動が必要です。具体的には貯蓄に加えて、長期・積立・分散投資による資産形成の検討をできるだけ早い段階から行うことです。そのうえで無理のない範囲で継続していきましょう。
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