9センチヒールは誰のため?

 しかし、第3話の最後で、純と真山の間にすれ違いが起こる。クロスワードのリベンジのため夜8時に待ち合わせをしていたのだが、純は残業を頼まれ、真山は意に反した飲み会にかり出される。 「飲み会、楽しんで」とメッセージを送ってくる純に、真山は「絶対に行くから」と返信する。そして真山は待ち合わせ場所へと急ぐ。だが純はいない。帰りを急いでいた彼女だが、ふと自分がその朝、久しぶりに選んだ9センチヒールを見つめる。男の目を意識したヒールに背中を押されるように彼女もまた、待ち合わせ場所へと走った。  

夜の海が見える公園で、「やっと」会えたふたり。このシチュエーションは恋愛の始まりであろう。  

純から“余裕”が消えた瞬間だ。  

お楽しみは次週へということになったが、それにしても9センチヒールは好きな男に会いに行くときのアイテム……というのには目が点になった。今でも女性たちはそういう価値観に共感するのだろうか。ファッションもメイクも自分のために、自分が好きだからそうするのが当然だと思っていたから、この感覚はさすがに古いと思わざるを得なかった。もちろん、そういう価値観の女性だからこそ、思わせぶりな言葉と体言止めを連発するのかもしれないが……。  

このあと、純はどういう選択をするのか、そして彼女がひとりの人間として夫との関係や真山との関係をどう修正していくのかに興味は尽きない。

<文/亀山早苗>

亀山早苗
フリーライター。男女関係、特に不倫について20年以上取材を続け、『不倫の恋で苦しむ男たち』『夫の不倫で苦しむ妻たち』『人はなぜ不倫をするのか』『復讐手帖─愛が狂気に変わるとき─』など著書多数。Twitter:@viofatalevio



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