今回は、こちらのご質問にお答えします。

「長年勉強を続けていると、どうしてもモチベーションが下がってきてしまいます。どうすればモチベーションを保つことができますか?」

勉強してきたことがなかなか報われないと、モチベーションが下がってしまうのは無理もないかもしれません。そんな場合にモチベーションを保つために、私自身やまわりの方々が実践している方法をいくつかご紹介します。

①芋づる式で勉強する

読書について、私は芋づる式で本を選ぶことをおすすめしています。ある本を読んだときに、その中で話題になったテーマや人物に関するものを次に読むようにするのです。そうすると、興味関心が高まっているので、難しい本でも読むハードルが下がります。たとえば、先日は『蛾売りおじさんのめくるめく蛾の世界』という本を読んだのですが、これも芋づる式で選んだものでした。第138回の青山南さんのインタビュー記事を書いた際、青山さんが手がけられた最新作『蛾 姿はかわる』を検索していて見つけたものです。青山さんのお仕事への関心が、この本にもつながっていったのです。同様に、勉強でも芋づる式を活用すると、勉強を続けることが苦にならなくなります。自分の興味関心を自然につなげていけるように、学び続けていくための工夫をしてみましょう。

②勉強のトリガーを見つける

勉強していく中で、何が自分のトリガーなのかを見つけていくことが大切です。私は基本的に「勉強は楽しいもの」だと思っているのですが、それは今まで知らなかったことを知って、自分が更新されていくからです。たとえば『蛾売りおじさんのめくるめく蛾の世界』には、ドイツでは蝶と蛾を区別しないことが書かれていました。日本では、「蝶は綺麗だけれども蛾は気持ち悪い」と思っている方が多いのではないでしょうか。私も、「蝶ならまだしも、蛾はちょっと……」と思っていました。けれども考えてみれば、ものすごく美しい蛾も存在しますし、両者の区別の基準すらよく知らないのです。それなのにどうして勝手な思い込みをしていたのか、自分の価値観を問い直すきっかけが得られました。こういう発見の喜びが、私の場合は勉強を続けていくためのトリガーになっています。自分にとってのトリガーを見つけて、それを上手に活用してみましょう。

③環境や時間帯を変える

生活パターンが固定すると、どうしてもマンネリ化してしまいます。家の中でいつも勉強しているなら外のカフェを活用してみる、あるいは部屋を変えてみる。それも難しいなら部屋の中の違う場所でやってみる、という具合に、些細なことで構いませんので、環境を変えてみましょう。また、朝に集中的に勉強するタイプなら、しばらく夕方や夜にやってみるなど、時間帯を変えてみると新鮮な気分で取り組めるかもしれません。

④細切れにする

60分間集中して勉強するよりも、15分×4回のセットで勉強するほうが効果が上がると言われます。集中できる時間は個人差があるので、一概には当てはまらないかもしれませんが、ダラダラと続けているだけで成長していないと感じるなら、勉強時間を細切れにして組み立て直すのもいいでしょう。