マスクをつけての生活が、もはや“日常”になってきている私たち。 当たり前になっていても、やはりふとしたときに「呼吸が苦しい」と感じる方は多いのではないでしょうか。

マスクによる息苦しさは、呼吸が浅くなっているサイン。

慢性疲労や自立神経の乱れによる感情の浮き沈み、睡眠の質の悪化にもつながります。

酸欠にもよく似ていて、放っておくと危険な状態に陥ることもあることが最近話題になっているんです。

とはいえ、まだまだマスクが手放せませんよね。

そこで今回は、ヨガ講師である筆者が実践しているマスクをしているときの息苦しさを和らげるヨガの呼吸法をご紹介していきます。

誰でも簡単にできて効果抜群です。

マスクで呼吸が苦しいと不調が増える!

『yoganess』より引用
(画像=『yoganess』より引用)

私たちはこの世に生まれた赤ちゃんのときから、無意識のうちに呼吸をしています。

呼吸について今まで意識をしてこなかった方でも、マスク生活になったことで「呼吸がしにくい」「呼吸が苦しい」と感じることは増えたのではないでしょうか。

「呼吸が苦しい」と感じたときには、呼吸が浅くなっています。

呼吸の主な役割は、酸素と二酸化炭素を交換をし、代謝をして必要な物質を作るだすことです。

さらに呼吸は、体温や内臓の働きなどを調整する自立神経とも深い関りがあります。

そのため、マスクの着用により呼吸が浅くなってしまうと、慢性的な疲労や不眠、ぼんやりする、イライラするなどの良くない変化が現れてくるのです。

あくびが出やすい、立ち眩みがする、動悸がするというのも、呼吸が浅く酸素が足りない状態に陥っているサインです。

呼吸が浅くなると…

  • 疲れが溜まりやすい、疲れがとれない
  • 上手く眠れない、朝起きられない
  • 頭がボーっとしやすい
  • イライラする
  • あくびが出る
  • 立ち眩みがする
  • 動悸がする

マスクで呼吸が苦しい原因は?やってはいけない呼吸法

『yoganess』より引用
(画像=『yoganess』より引用)

マスクをしていると呼吸が浅く、息苦しくなってしまうのは、口呼吸になっているからです。

口呼吸になるのには、以下のような理由が考えられます。

  • マスク下で気が緩んで口が開けっ放しになる
  • 酸素を多く吸おうとして無意識のうちに口で息をしている

口呼吸は、虫歯や歯周病、口臭といったトラブルの原因になる他、風邪をひきやすい、感染症になりやすいとも言われています。

口周りの筋肉も衰えてしまうので、頬がたるみ、マリオネットライン(口の両端から顎まで縦にできるシワのこと)が出てきて、年齢以上に老けて見られてしまうというデメリットもあります。

小さなお子さまであれば、歯並びにも悪影響です。

マスク生活が始まる前から、口呼吸が習慣になってしまっている方もいるかと思いますが、口呼吸は百害あって一利なしです。

この機会にぜひ見直してみてください。

マスクで呼吸が苦しいときはヨガの呼吸法!

『yoganess』より引用
(画像=『yoganess』より引用)

マスクで呼吸するのが辛いと感じたら、ヨガの呼吸法を取り入れてみるのがおすすめです。

ヨガの基本の呼吸法は、鼻から息を吸って鼻から息を吐く鼻呼吸。

さらに胸が膨らむ胸式呼吸ではなく、横隔膜を上下に動かしてお腹が膨らむ腹式呼吸が良いでしょう。

口呼吸に慣れてしまっていたり、普段から浅い呼吸になっていたりすると、鼻呼吸が苦しく感じますが、慣れてしまえば鼻呼吸の方がずっと心地よく、酸素が全身に行き渡るのを感じられるはずです。

ヨガの呼吸法では、まず“息を吐くこと”を意識しましょう。

呼吸が浅い人のほとんどは、息を十分に吐き切れていません。

そのため、思いっきり深く息を吸えないのです。

最初に息を吐くときは、口からでもOKです。

息を吐き切ってから、鼻から少しずつ長く息を吸い込みます。

このとき、胸でははくお腹が膨らむのを意識しましょう。

マスクで苦しいときに実践!ヨガの呼吸法のポイント
・口は優しく閉じ(上下の唇を軽く合わせる程度)鼻で呼吸する
・息を吐くことに意識を向ける
・息を吐くときにお腹が凹む、吸うときにお腹が膨らむ

鼻呼吸

『yoganess』より引用
(画像=『yoganess』より引用)

最初からヨガの鼻呼吸は上手にできないことがほとんどです。

そんなときには、鼻から吸い口から吐く呼吸法を試してみてください。

慣れていない方でも、しっかり息を吐き出すことができるのが特徴です。

ヨガのプラクティスの中でも、リラックス時や瞑想後のリリースなどの際に行うことがあります。

口を少しすぼめて行います。

5秒かけて息を口から吐き出し、3秒かけて息を鼻から吸い込みましょう。

マスクで息がしづらいときに数回行ってみると、呼吸が深まり比較的すぐに楽になるのを感じられます。

慣れるまでは、電車の中で行う、会社や学校についたら必ず取り入れるなど、タイミングを決めて深い呼吸をしてみてください。

シータリー呼吸法

『yoganess』より引用
(画像=『yoganess』より引用)

体を冷やすヨガの呼吸法である「シータリー呼吸法」も試してみてください。

先ほどご紹介したようにヨガの基本の呼吸法は鼻呼吸ですが、他にもさまざまな呼吸法があります。

シータリー呼吸法は、舌を丸めて空気の通り道を狭くすることで、ひんやりとした空気を取り込むことができます。

口から息を吸い、鼻から吐き出しましょう。

マスクの中では、舌を突き出すのは難しいので口の中でゆるく舌を丸めることになります。

長い時間はできませんので、身体の熱を冷ましたいとき、リフレッシュしたいときに数回試してみてください。

日常的にはしない変わった呼吸法のため、呼吸そのものを意識できるのがメリット。

緊張やストレスで呼吸が早く浅くなりがちな方にも最適です。

クンバカ呼吸法

『yoganess』より引用
(画像=『yoganess』より引用)

呼吸を一時的に止める「クンバカ呼吸法」も、横隔膜を鍛え、より深い呼吸を追求するのに効果的です。

集中力を高める、リラックスするなどの効果もあります。

息を吐き出してから行います。

4秒かけて息を鼻から吸い、吸い切ったら4秒息を止めます。

そして、4秒かけて鼻から息を吐きます。

このとき、呼吸を楽にするという目的においては口から息を吐いても良いでしょう。

この呼吸法を数回繰り返します。

一度息を止めることで、“息を吐く”ことへの意識が高まるのがポイントです。

貯めておいた息を大事に大事に身体の外に出すようなイメージで行いましょう。

息を止める時間は徐々に伸ばすこともできますが、自己判断でチャレンジするのは危険です。

無理のない範囲で行いましょう。