地図の確認

拙訳書『虹色のコーラス』では、本の中に小説の舞台となる場所の地図を挿入することになりました。なにも翻訳家が地図を作成するわけではありませんが、舞台となる場所を地図の中で示すにあたって、その配置を確認する必要がありました。実は、私は重度の方向音痴で、地図を読むのがものすごく苦手でして……。簡単な確認作業のはずが、翻訳自体よりも大変な出来事として記憶に残っていたりします。これは実在する地名についてでしたが、ファンタジーなどであれば、作品世界の様子をイラストで描くときに、イメージや与えられた情報と相違がないかなどの確認も入ってくるのかもしれません。

イベントへの登壇

出版記念のイベントや、その本のテーマに関係するイベントなどで、翻訳した本について話をすることが求められます。人前に出るのが苦手だから翻訳の仕事をしたいと考えているタイプの方には荷が重いかもしれませんが、コロナ禍でオンラインに移行したところが多いので、このタイプの方にとっては、自宅で対応できることでハードルが下がったのではないでしょうか。

著者の通訳

翻訳家が通訳もできるとは限りませんので、必ずしも頼まれるわけではないのですが、著者に会う機会があったときなど、ちょっとした場面で通訳することはあります。

他にも、納期の調整や、たとえばページ数がオーバーしてしまう場合にどこをカットするかなど、細々とした編集者さんとのやりとりや対応が必要になってきます。翻訳が仕事の大半を占めるとはいえ、翻訳「だけ」をやっていればいいわけではなく、それにまつわる諸々のことが必要になってくるのです。そこまでを含めて仕事なのだとあらかじめイメージしておくと、「こんなはずじゃなかった」と現実と理想のギャップに悩むような事態に陥らずにすむのではないでしょうか。

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こんなことも出版翻訳家の仕事です
(画像=『HiCareer』より引用)

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