【6】冷汁うどん
大宮、川越、加須あたりで、夏の家庭料理として食されているうどん。埼玉県中部の川島町地域では「すったて」とも呼ばれているもので、食欲がない夏でも、農作業の合間に手軽に栄養を取れる料理として広まったとされています。
ごまや味噌、大葉、砂糖をすり鉢ですり潰し、冷水やだし汁を入れ伸ばしたつゆに、うどんをつけて食べます。ミョウガやきゅうりを入れる場合もあります。2010年に開催された「第6回埼玉B級ご当地グルメ王決定戦」で優勝してから、提供するお店が増えました。
【7】かわじま呉汁
【6】で紹介した郷土料理「冷汁うどん」。川島町では「すったて」と呼びますが、夏の郷土料理が「すったて」なら、冬の郷土料理が「呉汁」です。
川島町では田んぼの畔に大豆を一緒に栽培していました。この大豆は「たのくろ豆」と呼ばれ、肉や魚が貴重だった時代の重要なたんぱく源でした。この大豆をすり鉢ですり潰したもの(呉)を汁仕立てにしたものが呉汁です。たっぷりの野菜と「芋がら」も加えて煮込んだ汁物で、うどんを加えれば「呉汁うどん」になります。
呉汁は作るのが手間なため、家庭でも作られることが少なくなりました。しかし郷土料理である「呉汁」がなくなってしまわないように、商工会では「かわじま呉汁」として普及活動をしています。川島町にある加盟店では、だいたい5月〜9月頃まで呉汁をいただくことができるので、この時期に訪れた際には味わってみてはいかがでしょうか?「かわじま呉汁」がいただけるお店はこちらで確認できます。
【8】川幅うどん
鴻巣市(こうのすし)のご当地グルメ「川幅うどん」。川幅うどんとは、その名の通りとっても幅が広いうどんのこと。鴻巣市を流れる荒川の川幅が日本一であることにちなみ、2009年に誕生しました。2015年に開催された「第12回埼玉B級ご当地グルメ王決定戦」では優勝した経験を持つ、人気のご当地グルメです。
現在は川幅うどん以外の「川幅グルメ」も続々と誕生しており、こちらのページから、鴻巣市で川幅グルメを提供しているお店のマップや一覧を確認できます。
川幅うどんのおすすめ店:馬力屋(鴻巣市)
鴻巣市内の複数の飲食店で川幅うどんを食べることができますが、特に人気のお店が「馬力屋」。こちらでは熱々の鴨汁につけて食べる「川幅鴨汁うどん」として提供しています。口当たりが滑らかでモチモチの麺は、食べ応え十分!なおこちらはもともとお蕎麦屋さんなので、手打ちそばも人気です。
【9】みそポテト
秩父地方で人気のご当地グルメのひとつ「みそポテト」。ふかしたジャガイモを天ぷらにし、甘めの味噌ダレをかけたものです。
2009年に開催された「第5回埼玉B級ご当地グルメ王決定戦」で優勝したことから知名度が上がりましたが、秩父の方ではとても古くからあるB級グルメです。地元の人にとってはまさにソウルフードであり、あまりに当たり前の存在であることから、他の地域では食べられていないということを知らなかった人も多かったのだそう。
みそポテトのおすすめ店:ちちてつ長瀞売店(長瀞町)
秩父地方のさまざまな場所で販売されている「みそポテト」。秩父鉄道「長瀞駅」のそばにある「ちちてつ長瀞売店」では、串に刺さったタイプの「みそポテト」を販売しており、長瀞観光の食べ歩きにぴったり!1本200円とリーズナブルに味わえるので、小腹が空いたときにはぜひ食べてみて。
【10】行田フライ
埼玉県北部の行田市周辺で食べられている軽食。フライとは一般的には揚げ物のことを指しますが、行田フライは小麦粉を水で溶き、鉄板の上で薄く焼いたもの。具材はネギや豚肉、目玉焼き、キャベツなどお店によって様々で、表面にソースまたは醤油を塗り青のりをかけていただきます。テイクアウトでは半分に折って、店内では丸く広げて提供するお店が多いですが、お皿からはみ出す場合には半分に折ります。
焼きそばとのセットメニューもあり、別々のお皿に盛る場合や、同じお皿に盛る場合、または二つ折りにしたフライの間に焼きそばを挟んで提供するなど様々。焼きそばとのセットは「ミックス」とも「フライ焼きそば」とも呼ばれます。
行田市周辺の地域は古くから小麦の産地で、行田フライは農家の手軽なおやつでした。足袋の街として知られる行田市では、昭和初期に足袋工場で働く女性に、この行田フライがおやつとして大人気!このことがキッカケとなり販売するお店が増えていったのだそうです。
現在は行田市内の30店舗ほどで提供しており、こちらから行田フライを提供しているお店を確認できます。