埼玉県に伝わる郷土料理をくわしく解説!埼玉県へ旅行に行ったら一度は食べてみたい、名物の食べ物・料理をまとめてご紹介します。旅行ツウのトラベルライターおすすめのお店情報もお見逃しなく!
【1】おっきりこみ
埼玉県北部の秩父地方の郷土料理です。幅広の手打ちうどんを、大根やにんじん、ごぼう、ネギなど、主に冬野菜と一緒に煮込んだもので、「おっきりこみ」とは具を刻んで入れるという意味。つゆは味噌ベースのものと醤油ベースのものがあります。
普通のうどんとの大きな違いは、麺を別茹でしないこと。生のまま具材と一緒に茹でます。また麺に塩を加えていないのも特徴です。
おっきりこみのおすすめ店:長瀞屋(長瀞町)
秩父鉄道「長瀞駅」から徒歩1分、長瀞駅前のメインストリートにあります。ソースカツ重がとくに人気だそうですが、ご当地グルメである「みそ豚丼」や「おっきりこみ」も頂くことができます。長瀞屋の「おっきりこみ」は、毎朝仕込む自家製のおっきりこみ麺を使用。麺の風味と、うまみが染み込んだスープを生かすために、煮込みすぎないのが特徴です。
【2】煮ぼうとう
埼玉県深谷市の郷土料理「煮ぼうとう」。幅の広い麺を生のまま煮込むもので、特産である深谷ねぎと、主に地元で収穫された根菜類をたっぷりと使います。【1】で紹介した「おっきりこみ」とほぼ同じもので、「おっきりこみ」には味噌ベースのつゆが存在しますが、「煮ぼうとう」は醤油で味付けします。そのため、醤油ベースのおっきりこみを「煮ぼうとう」と呼ぶ場合もあります。
深谷市出身の偉人である渋沢栄一も好んで食べた郷土料理だそうで、深谷市を訪れたらぜひいただきたい料理です。深谷市で「煮ぼうとう」が食べられるお店はこちらで確認することができます。
煮ぼうとうのおすすめ店:麺屋忠兵衛 煮ぼうとう店(深谷市)
渋沢栄一の生家「中の家」の隣にあります。渋沢栄一記念館からは徒歩10分ほど。渋沢栄一が新一万円札の肖像に決まったことをキッカケにオープンしました。古民家を改装した店内には、渋沢直筆の書も展示されています。
メニューは「煮ぼうとう」と「煮ぼうとう・とろろご飯セット」のみ。「煮ぼうとう」には、深谷ネギをはじめ、にんじんや三つ葉など、地元の野菜がたっぷり入っており、コシのある麺の食感とつゆのうまみを楽しめます。
【3】わらじカツ丼
埼玉県の秩父地方を代表するご当地グルメです。秩父地方のなかでも小鹿野町が発祥で、大正5年に創業した「安田屋」が元祖。わらじカツ丼の有名店であり人気店のため行列ができます。
わらじカツ丼とは、ごはんの上に、履き物のわらじのような大きくて薄めのロースとんかつが乗ったもの。履物のわらじ一足を表すように2枚乗っています。そして、とんかつには甘辛いタレがからめられています。正しい食べ方は、まず上のカツを丼のフタに乗せて、2枚目のカツから食べはじめるとのこと。
わらじカツ丼のおすすめ店:三峰神社正参道の茶店 大島屋(秩父市)
三峯神社正参道にある「大島屋」は、わらじかつ丼が広まるきっかけになったお店です。西武鉄道のCMでロケ地となり、『秩父さんぽ旅2014秋冬編』では吉高由里子さんが、そして『ちちんぶいぶい2017年秋冬編』では土屋太鳳さんが、「大島屋」でわらじかつ丼をバクリ!丼からはみ出すほどの大きいカツがインパクト大です。
【4】豚みそ丼
今では秩父地方の名物として有名な「豚みそ丼」ですが、発祥は「豚みそ丼本舗 野さか」。秩父名物の「豚肉味噌漬」を応用して、新たな料理が生み出せないかと試行錯誤し、3年半の月日を経て生まれました。
いわゆる“豚丼”と間違われやすいですが、豚みそ丼は豚肉味噌漬を焼き上げてご飯にのせた丼で、豚丼とはまったく別物。各店舗によって独自の味噌ダレで提供しています。
豚みそ丼のおすすめ店:豚みそ丼本舗 野さか(秩父市)
西武鉄道「西武秩父駅」より徒歩3分の場所にある「豚みそ丼」の発祥店。2008年7月8日に豚みそ丼専門店としてリニューアルオープンしました。
2014年の第1回全国丼グランプリ・豚丼部門において、「豚みそ丼本舗 野さか」は金賞を獲得!ロース丼、バラ丼の2種類あり、自家製の味噌ダレに漬け込んだ豚肉を、炭火で焼いた香ばしさがたまりません。見た目ほど味が濃くないのが特徴で、お米も厳選した品種を使っています。
お昼時には行列ができるので、並びたくない場合は時間をずらして訪れるのがおすすめ。ただし売り切れ次第終了なのでご注意を。
【5】くるみそば
清流に恵まれた秩父地方には、お蕎麦屋さんが多くあります。秩父地方のお蕎麦屋さんへ入ると、よく見かけるメニューが「くるみそば」。主に地元産のくるみを割ってすり潰したものと、そばつゆを混ぜたものに、秩父のコシのあるそばをつけていただきます。
つゆの見た目はごまダレに似ていますが、ごまダレに比べてさらっとしており甘みがあります。お店によっては、くるみを粗めにすり潰していたり、すりごまと混ぜるなど様々。
ちなみに発祥と言われるのが、秩父市相生町にある「やなぎや」です。秩父に多くあるお蕎麦屋さんの中でも老舗中の老舗です。
くるみそばのおすすめ店:そばの杜(秩父市)
秩父鉄道「秩父駅」から徒歩5分、秩父ふるさと館の2階にあるお蕎麦屋さん。広々とした店内では、蕎麦だけでなく、ご当地グルメの「豚みそ丼」や、冬季限定で郷土料理の「おっきりこみ」も味わえます。
「そばの杜」のくるみそばは、自分でくるみをすり鉢ですり潰すタイプです。手間はかかっても、自分ですり潰したくるみとそばつゆを混ぜたくるみ汁は絶品です。