衝撃を受けたインポートランジェリーとの出会い

――すごく腑に落ちました! 私も最近、自分の胸を“バスト先輩”、“御杯様(おっぱいさま)”というように敬称をつけて呼んでいるのですが(笑)。愛猫にたとえてみるとよりしっくりきます。“自分の鎖骨の下に宿る猫”ととらえると、ずっと大切にしていきたいと思えますね。そう考えると、「よその猫ちゃんにはぴったりきても、自分の子には合わないな」と思ったら、ふさわしいものを探してあげたくなります。

心に寄り添うブラジャーの選び方。パットなしで、寄せて上げないブラの心地よさ
(画像=HAVIENA「ワイヤーブラ キャネルベージュ」 ワイヤーの中心が高くしっかりとしたホールド感があり、デコルテを美しくメイクします。、『女子SPA!』より引用)

柴尾「以前下着売り場に行ったら、“理想の形”というものに整えられた、自分の体型には合わないものを提案されたんです。私はちょっと鳩胸ぎみでしたので、寄せ上げタイプだと胸がバーン!と目立ってしまって……。盛りたくもないのにパッドが入っているから窮屈だし、とても違和感をおぼえました。

 そんなとき、インポートランジェリーの専門店に行ってみたんです。そこで『あまり盛らない感じがよくて、でも安定感があってデコルテがキレイに出て……』と言うと、お店の人がサイズを測って、いろいろな下着をチョイスしてトレイに載せて持ってきてくれたんですよ。

 その中にパッドのない、ノンパテッドのブラがあって。それで試着してみたら、着けていないようなのにスポッと美しく胸が収まって、とても衝撃を受けました。『なんで今までこういうのに出逢えなかったんだろう?』と思うと、やはり日本のブラ市場がガラパゴス化していたからなんですね」

胸が大きな人には大きな人の、小さな人には小さな人の選び方がある

――日本はひとつのものが売れたり、ひとつの価値観が目立つと、一斉に「右へならえ」してしまうところがありますよね。マイノリティー認定されると、一気に市場から消えてしまったり。「みんなに合わせられないあなたが規格外なんだ、おかしいんだ」って言われてしまうような気になります。

心に寄り添うブラジャーの選び方。パットなしで、寄せて上げないブラの心地よさ
(画像=HAVIENA「ノンワイヤーブラ セント ミニマムタイプ」 ミニマムなトライアングルブラは華奢な体にこそよく似合うランジェリー。、『女子SPA!』より引用)

柴尾「そう! みんなが勧めるブラに気持ちや身体が合わないと『変わってる』とか、『残念な身体』と言われているようで、『すみません、B品で』ってうそぶいてしまったりね(笑)。でも本当に余計なお世話で、心地よいと思えるものを求めるのは当然の権利だと思うんです。

 グラマーな人には胸をすっぽり包むタイプ、小胸さんなら儚げで可愛い三角ブラといったように、胸が大きな人には大きな人の、小さな人には小さな人の選び方があって、『それぞれの体型や気分に添える下着があるって素敵だな』と思ったんです。

 昔、グラビアで“巨乳ブーム”とかありましたけど、『胸が大きくないと魅力的じゃないって誰が言ったの?』って思うくらいで、『控えめな胸が好き』という方も、自分のまわりにたくさんいます。でも、みんな『胸は大きいほうがいいはず』って思い込んでいたりしますよね」

「無理やり谷間をつくるブラ」になんだかなぁ

――昔、ある職場で男性たちが“社内女性の巨乳ランキング表”を作っているのを見たことがありまして。私は当然圏外でしたが、「なんだかなぁ」と思ったことを思い出しました。

柴尾「 (苦笑)。いつの間にか『胸は大きい方がいいもんだ』みたいな価値観が一人歩きして、女性たちはせっせと詰め物をしたり、寄せ上げするようになったんですね。寄せ上げするって、結局お肉の位置を無理に引っ張り上げてボリュームを持たせるから、苦しかったりするんですよ。わざと窮屈なパターンで、お肉が入らないようにして、しめ出させて持ち上げる……。あえて収まるところに収まりきらないようにして、『谷間ができた!』みたいにしているところもあって、そういうのはなんだかなぁ…と思いました」