オーストラリアでも大人気な個性的な味わいの「クラフトビール」。現在オーストラリアには小規模なビール醸造所「ブルワリー(ブリュワリー)」が700軒以上もあると言われていますが、中でもシドニーで訪れたい、定番から穴場まで個性溢れるクラフトビールが飲めるブルワリーをご紹介します。
クラフトビールって何?
「クラフトビール」とは小規模な醸造所で作られたビールのこと。厳選した材料を使いオリジナルの製法で作られたビールは、大手メーカーのように大量生産はできませんが、醸造所によって全く異なる個性溢れる風味やフレーバーが楽しめるのが特徴です。
世界的に人気のクラフトビールは、オーストラリアでももちろん大人気。国内だけで2021年現在700軒以上ものクラフトビール醸造所(以下ブルワリー)があると言われています。毎年2月にはクラフトビールのランキングを決めるイベント「the GABS Hottest 100(Great Australian Beer SpecTAPular)」も行われ、国内の注目度も抜群です。
さらに2022年度のオーストラリア予算案で「クラフトビール醸造所への減税案」も発表され、国をあげて大注目している業界でもあります。シドニー近郊にある大小様々なブルワリーでは、地元民達が皆思い思いにビールを楽しんでいるので、是非シドニーに訪れたらブルワリーを訪れ、活気ある雰囲気の中で美味しいクラフトビールを楽んでみましょう。
【1】ニュータウンの老舗「ヤング・ヘンリーズ」
まず最初にご紹介する「Young Henrys(ヤング・ヘンリーズ)」は、シドニーCBDの南西にあるサブカルの街「Newtown(ニュータウン)」にあるブルワリー。ニュータウンとその南西にあるMarrickville(マリックビル)一帯は、実は様々なマイクロ・ブルワリーが並ぶ「クラフトビールの激戦区」でもあります。
その中でも「シドニーのクラフトビール」と言って必ず名前が挙がる老舗が、ここヤング・ヘンリーズ。表通りから一本入ると人々の明るい笑い声が辺りに響き渡り、外からも活気ある賑わいが感じられる人気店です。お酒を提供する場ではありますが人々の憩いの場でもあるので、女性同士のグループや子供連れのファミリーも訪れ、皆でビールを楽しんでいます。
因みにこちらの一番人気は、地元に因んだ「Newtowner (ニュータウナー)」のオーストラリアン・ペールエール。地元産のホップを使用するなど地元愛に満ちたペールエールは、ホップの香りと苦味、フルーティな酸味と甘味のバランスがいい、どんな料理にも合う万能ビールです。
2021年2月に発表されたGABSのランキングでは、数ある強豪を抑え9位にランクインしています。何をオーダーしていいかわからない時は、店員さんのオススメ商品や気になるものを少しづつ試せるテイスティング・セットをオーダーしてもいいですね。
シドニーで知らない人はいない知名度No.1の人気ブルワリーは、人気カフェやレストラン、ショップや古着屋さんなどが並ぶ人気エリアにあるので、ニュータウン巡りの一環としてもおすすめのスポットです。
【2】パブ飯が美味しい「アトミック・ビア」
「Central(セントラル)」駅のすぐお隣、カフェやレストランが続々とオープンしている注目のエリア「レッドファーン(Redfern)」にある「Atomic Beer Project(アトミック・ビア・プロジェクト)」は、2020年9月にオープンしたばかりのブルワリー兼タップルーム。Botany Road(ボタニー・ロード)沿いにある黒い壁にカラフルに描かれたウォールアートが目印です。
元倉庫だったという高い天井の広々とした店内の奥には、ステンレスのビールタンクとイメージカラー「アトミック・グリーン」色の長いカウンターが並んでいます。客席は2フロアになっていて、上階はコワーキング・スペースとしても使われていますが、ブルワリーで仕事なんて、何だか捗らなさそうですね。
オリジナルビールの種類は全部で8種類。その他季節ごとの限定商品も並びます。6種類のビールがテイスティングできるAtomic Paddle($20.00)は、定番のペールエール、XPA、IPAと店員さんのオススメを中心にオーダーしましょう。全てにテイスティングノートが付いているので、味を確認しながら楽しめます。
またこちらのブルワリーのおすすめは、何よりそのフードメニューのクオリティの高さ。アジアン系レストラン出身のシェフらしくカレーや唐辛子など全体的にスパイシーでオリエンタルな味付けの、本格的なフードが楽しめます。爽やかな炭酸のビールがどんどん進みますし、ビール好きでなくてもフードだけでも大満足できるブルワリーです。