気付かないうちに毒親化しているケースも

 こうした過剰な干渉も、子どものためを思っての言動なので、毒となっていることに気がつかない親がほとんどだ。

「暴力やネグレクトなど、あからさまな毒親であれば、子どもは危機感を抱いて逃げ出すこともあります。しかし、真綿で首を絞めるように愛に満ちた支配の下では、子ども自身も毒親に育てられている自覚がなかったり、息苦しさを感じてもなかなか逃げられない。ある意味、わかりやすい毒親よりもタチが悪いですね。

 人は誰しも心の安定を求めるもの。そして、親にとっての心の安定とは、子が自分の思い通りに成長してくれることです。自分が安心するために、子どもにあれこれ強制してしまう。だから、子を持つ親は皆、程度の差はあれど、毒親なんです」

 毒と愛情は紙一重。誰しもが毒親になる可能性を持っているのなら、まずは己が毒親になっていないかを疑い、本当に子どもと向き合っているのか自分自身に問いかけてみたい。

子どもの発達に影響を及ぼす「毒親」語録

「あなたのためだから」

「心配だから、注意しているんだ」

「なんでできないんだ」

「約束したでしょ」

「だから言っただろ」