日本国内でもキャッシュレス化が進行していることもあり、クレジットカードの利用者が増えている。クレジットカードを選ぶ際には、年会費、ポイント還元、コンシェルジュサービスに注目すべきだが、お金が貯まる人達はクレジットカードをどう使いこなしているのか気になる人も多いだろう。クレジットカードの使い方を紹介する。
ポイントを有効活用するために長くためる
クレジットカードの年会費は、無料から有料まで様々だ。一般的に、無料に比べると有料クレジットカードのサービスは、海外旅行保険が付帯していたり、ポイントが高還元だったりと充実している。
年会費を「もったいない」と感じて、無料のクレジットカードを選ぶ人も多いが、まず注目したい点が、ポイントの有効期限だ。
一般的に、クレジットカードのポイントには有効期限があり、通常は2年程度で失効するケースが多い。期間2年というと、1年ポイントを貯めたらその翌年に利用しなければ失効してしまうため、無料クレジットカードだと還元率が低くなる。
その点、有料クレジットカードでは、例えば3年と有効期限が長いものから、条件を満たせば無期限かつ高還元にできるものまで様々で、ポイントが失効しにくい仕組みになっている。一人一人のライフスタイルは異なるので、有効期限が短いほどポイントが失効するリスクは高くなる。
年会費以上のオトクかを見極める
二つ目の注目点は、年会費を上回る金額の還元があり、かつ最大限にオトクを生み出せるかという点だ。クレジットカードで利用したお金でポイントを貯めてラクラクお金を貯めるわけだが、ポイントを買い物に利用してもオトクだろう。
家族と有意義な時間を過ごせる航空会社のマイルを貯める例で、年会費を上回るオトクが得られるのかを考えてみたい。
たとえば、一人4万円のツアーを利用して、家族4人で旅行に行く場合で考えてみよう。家族4人でかかる費用は16万円ほどになる。時期にもよるが、東京沖縄間の必要マイルは一人1万4000マイル、4人では5万6000マイルになる。
年会費が1万円(税別)で還元率が1.3%のクレジットカードで考えてみよう。5万6000マイルを貯めるには、430万円程度の利用が必要になる。ポイントの有効期限が2年の場合には1年間で215万円程度だが、3年になれば150万円程度になる。たとえば、4人家族で光熱費や公共料金など必ずかかる必要経費で1ヶ月10万円(1年換算で120万円)を利用している場合には、1年間でたまるポイントは1万5000ポイント超になる。1ポイント5マイル換算で考えても、有効期限が3年であれば、5万6000マイル貯めることがそう難しくない数字であることがわかる。この間、クレジットカードを3年保有した場合の年会費3万円(税別)を支払っても、16万円の旅費に対して13万円もオトクになる。年会費を上回るオトクを得られる上に、家族でゆとりある時間を過ごせることがわかるだろう。
なお、有料クレジットカードであれば1ポイント10マイル換算で無料で交換できる場合もある。無料クレジットカードによっては追加費用を払って10マイル換算までアップさせることも可能な場合があるが、マイルを海外旅行で利用することを考えている場合には追加で支払う費用といったトータルでかかる必要経費と年会費のお得度を比較する必要はあるだろう。
有料クレジットカードを利用する際には、支払う年会費と、利用する目的、金額などをあらかじめ考えておけば、いくらの年会費までが許容範囲なのかを自分で把握できるようになる。
充実のサービスで、ゆとりと節約の両方を
さらに、有料クレジットカードには、ポイントの還元率以外にも充実したサービスが利用できる。クレジットカードにもよるが、国内外の空港ラウンジを利用できたり、空港と自宅間の手荷物を無料で発送してくれるサービスもある。旅行によく行く人は、搭乗までの時間を有効活用できるので、ぜひ使いたいサービスだ。
さらに、海外旅行に行く際、ケガや病気に備えて短期の海外旅行保険に加入する人が多いだろう。有料クレジットカードには海外旅行保険が付帯している場合が多く、クレジットカードによっては、本人に加えて家族までが対象になる場合もある。海外旅行のたびに保険に加入する手間や、費用も不要になるのでオトクだ。
他には、例えば、指定のレストランを二人で利用した場合には一人が無料になるサービスや、ホテルを割引料金で利用できるサービスの他、こうした施設を探したり、予約をとってくれるコンシェルジュサービスもある。ホテルやレストランを探したりするためには意外と時間がかかるものだ。お金もオトクに利用できる上に、24時間という限られた時間を補ってくれるので、とても便利なサービスと言えるだろう。
ちなみに、筆者は航空会社のクレジットカードをメインに利用してマイルを貯めている。航空券はマイルで、ホテルは株主優待を利用すれば無料で宿泊できるようになる。海外旅行のたびにどの保険が安いかを比較検討する時間も、加入する手間暇も不要になる。さらに、空港のラウンジを利用することで、搭乗前ものんびりと過ごすことができる。
目先の支出や節約という従来型の価値観に縛られていては、現状から脱却を図ることは難しい。その支出や節約にとられる手間暇や時間が、どれだけのゆとり時間と、お金を生み出す仕組みにつながっているのかを、今一度立ち止まって考える必要がある。意識的に時間、お金に対する従来型の価値観、自らの行動を変え、コントロールしていかなければならないのだ。
自ら情報を得て行動してお金がたまる仕組みを作った人と、そうでない人とでは、たまるお金はもちろんのこと、それによって作り出される生活、時間、精神的なゆとりに大きな差が開くことだろう。お金がたまる仕組みづくりを、今こそ始めてみてはいかがだろうか。
文・横山利香(CFTe、ファイナンシャル・プランナー)/ZUU online
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