塗装前の作業の方が意外に多い
――どのような工程で作品を作られているのですか。
MAマン「最初に、自分が塗ってみたいフィギュアを選んで、そのフィギュアを分解します。色ののりをよくするために下地を作るのですが、フィギュアを洗い、乾燥させたあとにトップコートなどを塗り、そこから塗装に入ります。
モチーフにもよるのですが、塗装に入る前の作業が意外に多く、キャラクターの資料をとことん集めて調べて、自分だったらこの世界観をどうやって再現するかというシミュレーションをします。このシミュレーションの時間に費やす時間が長くて、暇さえあれば考えているときもあります。そのうえで、塗装に使う色を自分で混ぜ合わせて作ります」
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作品へのリスペクトも忘れないようにしている
――ご自分で調色もされているんですね。思ったよりも工程が多くて驚きました。
MAマン「多くの人に愛されているキャラクターに塗装をするということで、その世界観を崩すことなく、作品へのリスペクトを落としこみたいと思っています。一方でみなさんが抱いているキャラクターのイメージは様々で、それを全員が納得する形で再現するのは難しいというジレンマもあります。ですので、そこは『私はこのキャラクターをこうやって表現したい』という思いを最初に固めて、ブラさないようにしています」
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思い入れがある作品は……一つに絞れない
――特に難しかった作品や、思い入れがある作品はありますか?
MAマン「すごく迷います……。こう言ってはキレイごとになるかもしれないんですが、塗装するキャラクターを決める時は、『今回はこれに挑戦してみたい!』と強い気持ちで選んでいるので、どの作品にも思い入れがあって一つに絞れないです。今まで、40体ほど完成品を作ってきたのですが、どの作品を見返してもどんな気持ちで作品を作っていたのか、ひとつひとつの記憶が鮮明に蘇ります」
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