既存の空条承太郎(ジョジョの奇妙な冒険)のフィギュアに、オリジナルで塗装したというこの作品。
承太郎がアニメから飛び出て掌にのったかのように見え、これは3Dなのか2Dなのか、見れば見るほどわからなくなります。この作品は一体どうやって作られているのか? 気になることを作者のMAマンさんに聞いてみました。
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3D2次元彩色という新しい手法
――これは、どのようなジャンルの作品なのでしょうか
MAマンさん(以下、MAマン)「3Dであるフィギュアに、筆で2次元のような着色をしたもので、私は3D2次元彩色とよんでいます。」
――立体なのか平面なのかわからない不思議さとイラストの再現度がすごいです。いつから3D2次元彩色の作品を作られているのでしょうか。
MAマン「2年ほど前からはじめました。秋葉原に行った時に偶然、お店のショーケースに、既存のフィギュアに色を塗る『リペイント品』というのがディスプレイされているのを目にしたんです。私は美大で油絵を専攻していたのですが、こんなジャンルがあるんだと衝撃をうけました。そこから、自分でもやってみたい!と思い作品を作るようになりました」
――リペイント作品というのはたくさんあると思うのですが、そのなかで3D2次元彩色という手法を発明したのがすごいですね。
MAマン「世の中で愛されているキャラクターのフィギュアに色をつけるということで、みなさんがそれぞれキャラクターに持っているイメージや思い・世界観をできるだけ表現したいという気持ちで試行錯誤して、このような塗り方になりました」
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1体の制作期間は短くて1週間、長くて1ヶ月
――3D2次元彩色のコツなどあれば、教えてください。
MAマン「異次元ぽさや不思議さを出すために、とにかく筆ムラをなくすというのがポイントです。筆跡や筆ムラがあると塗った感が出てしまい、途端に2次元ぽさがなくなるんです。近くでよく見るとムラがあるのは問題ないですが、パッと見たときにいかにムラが目立たないかというのは、作品の出来に関わります」
――どれくらいの時間をかけて、一体の着色を完成されているんでしょうか。
MAマン「短くて1週間、長くて1ヶ月くらいかけて作っています。集中している時は、1日8時間ほど塗っていることもあります。ただ、制作期間中は塗装だけをしているわけではなくて、実際には塗装以外の工程に費やす時間のほうが多いんです」
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