今は枯れて普段は水がありませんが、元糺の池からは泉がコンコンと湧き出し、川が流れだすようになっていたようです。泉が湧き出たという場所にはこんもりと石が積まれていて、ここが最大のパワースポット。中心部に手をかざすと温かく感じられたそうです。※現在は三つ鳥居に近づくことができないようになっていて神域が守られています。
縄文時代は戦いの無い時代だったと言われていますが、時代が下ると天津神(あまつかみ、天から現れた高天原の神)と国津神(くにつかみ、地上の政をおこなう神)と天孫族(てんそんぞく、渡来人と融合した神)と分類されるようになるにつれ反目して戦いが起こるようになりました。
木嶋神社では、この「天・地・諸外国」を象徴する三つの種族が力を合わせて、世界の中心としてよい国を作って行こうという強い意志を、この三つ鳥居に込められたということです。
もともとは下鴨神社だったなごりの「元糺の池」とは
当社の由緒版に、嵯峨天皇の時代(786年‐842年)に下鴨神社が現在地に遷座したとあります。その名残として「元糺の池」がのこっています。「糺す」と名付けられた由来については諸説ありますが、意味は「いつわりを直す」ことです。この池は、罪穢れを祓い清める身禊ぎ(みそぎ)場で、夏季にはいった最初の土用丑の日に、この神池に手足を浸せば諸病にかからないという俗説があったということです。
元糺の池が下流に流れる先に、質素なお稲荷さんが鎮座します。
お稲荷さんを祀る白清社
古文書によれば、お稲荷さんの神様「ウカノミタマノカミ」の眷族(けんぞく)である三狐は、もともと天皇に反逆した罪で死刑になるところを、ウカノミタマノカミによる命乞いで命を助けられました。その代わりに、眷族としてウカノミタマノカミにお仕えすることになったそうです。
このことから察するに、三狐の罪を糺した池が当地だったのではないでしょうか。この白清社は、三狐の住処と思えるような、洞窟のような石室となっています。
京都で最も古い由緒をもつ元糺のお社
元下鴨神社であり、伏見稲荷大社の創始にも深く関係しているとの見方もある木嶋神社。さらにほかにも、キリスト教の一派ネストル教との深いかかわりがあるとされるなど、まだまだ”なぞ”多き当社には興味が尽きませんね!
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