「抱き癖がつくから抱っこはダメ!」うるさく言われたことがあるママも多いのではないでしょうか。一昔前は「抱き癖がつくのは良くない」とされていましたが、今は違います。むしろ抱き癖をつけた方が良いことばかり!どんなプラスがあるのか詳しく解説します。
赤ちゃんに「抱き癖がつく」ってどういうこと?
「抱き癖がつく」ってどういうこと? 泣いている赤ちゃんを抱っこしていたら、「抱き癖がつくから気をつけてね」と実母やお姑さんに指摘されたという方もいるかもしれません。抱き癖がつくとは、頻繁に赤ちゃんを抱っこすることで癖がつき、抱っこされていない状態だと泣き止まなくなることです。
「赤ちゃんに抱き癖がつくから抱っこはダメ」はもう古い!
一昔前と現在では、育児に関するさまざまな常識が変わっています。たとえば、以前はビタミンDの欠乏を防ぐために赤ちゃんの日光浴が推奨されていましたが、紫外線が増えた現在は、日焼けのし過ぎはよくないといわれています。また、「頭の形がよくなる」、「よく寝てくれる」という理由で大流行したうつ伏せ寝も、乳幼児突然死症候群(SIDS)のリスクから、一歳未満は控えるように厚生労働省や多くの医師たちが伝えています。そして「抱き癖がつくのはよくない」という考え方も、今では時代遅れになっているのです。
「赤ちゃんに抱き癖をつける」のが今の主流
抱き癖はつけない方がいいという考え方は、昭和30年代に広まりました。その背景には当時ベストセラーになったアメリカの育児書、『スポック博士の育児書』(ベンジャミン=スポック・マイケル=B=ローゼンバーグ著)の影響があるといわれています。当時の欧米では、「自立心を育てるために泣いてもすぐに抱っこをしない」、「赤ちゃんのうちから両親と別の部屋で寝かせる」という育児方法がスタンダードでした。この欧米式の考え方が国内で広く知れわたったことにより、抱き癖に対するマイナスイメージが浸透していったのです。ですが現在では研究が進み、泣いたら積極的に抱っこをした方がいいという考え方が国内では主流となっています。
赤ちゃんを抱っこしない方が悪影響に
いくら泣いても親から抱っこをしてもらえなかったり、何の反応も得られなかったりすると、赤ちゃんは大きなストレスを感じてしまいます。そして乳幼児期に抱っこなどのスキンシップが十分に足りないと、情緒不安定な子供や短気な子供、自尊心が低い子供に成長してしまうといわれています。また、赤ちゃんを長期にわたって放置する行為が繰り返されると、赤ちゃんは泣くことを諦めて表情や感情が乏しくなる、いわゆるサイレントベビーになるという説もあります。
そのため、赤ちゃんが泣いたら家族などの周囲に助けてもらいながら、できる範囲で抱っこをしてあげましょう。手が離せないときは優しく声をかけてあげるだけでも赤ちゃんは安心します。※サイレントベビーは医学用語ではなく、その原因や症状、リスクに医学的根拠はありません。泣いている赤ちゃんを一回あやせなかった位ではサイレントベビーになることはないので、パパママは過渡に気にせずストレスを溜め込まないようにしてくださいね。
なぜ「赤ちゃんに抱き癖は悪いこと」とされていたの?
一昔前まで抱っこは甘やかしだと認識されており、赤ちゃんが泣くたびに抱っこをしていたら、わがままな子供や自主性のない子供に成長してしまうと考えられていました。また、抱っこしを続ける状態は親の負担が大きくなってしまうため、抱き癖はつけない方がいいとされていました。