日本に数ある城の中で、2017年2月現在、城単体としては唯一世界遺産に登録されているのが姫路城です。2015年、約5年の歳月をかけ「平成の大修理」と呼ばれた大天守の保存修理を終え、築城当時の美しい姿へと蘇りました。真っ白な大天守はもちろんですが、それ以外にも広大な城郭内には見どころが沢山!今回は、姫路城の魅力を知る上で見て頂きたい4つのポイントを紹介します。
姫路城の歴史
姫路城は、南北朝時代に姫山に砦が築かれたことが始まりとされています。その後、約600年に渡り多くの歴史上人物にゆかりのある重要な城として存在し続けてきました。
豊臣秀吉時代の姫路城
元々、2014年の大河ドラマの主人公「黒田官兵衛」を生んだ黒田家の城でしたが、官兵衛の進言により1580年、中国征伐の拠点として豊臣秀吉が入城します。大阪城を築くまでの3年間、秀吉は姫路城の城主を勤めました。近世城郭の体裁が整い姫路城という名になったのもこの時です。
江戸時代以降の姫路城
関ケ原の合戦後、城主となったのは徳川家康の娘婿にあたる池田輝政。9年もの歳月をかけて城を大改築。現在我々が見る5重7階の大天守に、小天守を結んだ天守群と多くの門や櫓をもつ形式は、この時に築き上げられました。
その後、250年に渡り本多氏、松平氏、榊原氏、酒井氏が城主を勤めました。
近世になり、1931年に天守閣が国宝に認定。戦時中、姫路の街は2度の空襲を受けますが奇跡的に姫路城は損壊を免れます。
そして、1993年、奈良の法隆寺と共に日本で最初の世界文化遺産に登録されました。
ここ最近では、2009年から2015年にかけて大天守の保存修理が行われ、築城時の真っ白な姿が見事に蘇りました。
【1】守りの堅さを表す21棟の門をくぐれ!
姫路城は入城口でチケットを買って、すぐに天守へ・・・という訳にはいきません。城下に東西の交通の要、山陽道を含み重大拠点となっていた姫路城。戦に備えて数々の工夫がなされています。その一つが、大小21棟にもおよぶ門。
これだけの門を敵の攻撃を受けながら突き進むにはどれほど至難の技か!防御面だけではなく、美しさも兼ね備えた門を一つ一つくぐって、天守へ向かいましょう。
「にの門」には、珍しい十字紋瓦が。これは、キリシタンだった黒田官兵衛ゆかりのものと言われています。
【2】築城当時の姿へと蘇った天守を間近で!
別名「白鷲城」という名にふさわしい真っ白な天守。この存在なくして姫路城は語れません。この美しい姿を次世代へ引き継いでいくため、2009年から「平成の修理」と呼ばれる大天守保存修理が行われました。
保存修理では、漆喰壁の塗りかえや屋根瓦の葺き直しなどが行われました。そして2015年3月、保存修理を終えた天守内部の公開が再開されました。外観の美しさもさることながら、現存天守(江戸時代、またはそれ以前に建設され、現在まで保存されている天守)の一つである内部も必見!
特に、「西大柱」「東大柱」の2本の柱。その長さは24.6m。地下から5階までの通柱で全国的にも珍しいそう。長年に渡り天守を支えてきたのかと思うと、思わず触れてしまいたくなります。