育休中の配偶者控除、私も受けられる?

(写真=Andrey_Popov/Shutterstock.com)

では、配偶者控除と特別控除の控除額を具体的に見ていきましょう。

ここからは、共働き世帯の妻が産休・育休中に配偶者控除の対象者になることを前提として、納税者本人=夫、配偶者=妻として記述していきます。また、年収要件については、給与以外の収入がない給与所得者と想定して、源泉徴収される前の全収入の合計額である給与収入額で記載します。

配偶者控除、特別控除の年収要件と控除額

配偶者控除の対象となる妻の年収は103万円まで、配偶者特別控除の対象となるのは103万円を超えて201万円まで。夫の年収は①1120万円以下②1120万円~1170万円③1170万円~1220万円の3つに分けられ、1220万円を超える場合は控除を受けることができません。

夫の年収①~③で控除額は変わり、また、妻の年収が増えるに従って段階的に減っていきます。

控除額は次の通りです。

【配偶者控除額】妻の年収:夫の年収別控除額
103万円以下:①38万円 ②26万円 ③13万円

【配偶者特別控除額】妻の年収:夫の年収別控除額
103万円~150万円:①38万円 ②26万円 ③13万円
150万円~155万円:①36万円 ②24万円 ③12万円
155万円~160万円:①31万円 ②21万円 ③11万円
160万円~166万7999円:①26万円 ②18万円 ③9万円
166万7999円~175万1999円:①21万円 ②14万円 ③7万円
175万1999円~183万1999円:①16万円 ②11万円 ③6万円
183万1999円~190万3999円:①11万円 ②8万円 ③4万円
190万3999円~197万1999円:①6万円 ②4万円 ③2万円
197万1999円~201万5999円:①3万円 ②2万円 ③1万円

妻の年収が103万円までの場合の配偶者控除と150万円までの場合の配偶者特別控除では控除額が変わらないことに気付いたでしょうか。

つまり、妻は150万円まで収入を増やしても、控除額において不利益を受けないようになった、ということです。

出産育児期に受ける公的給付は収入に含まれない

産休中や育休中には、出産育児一時金や出産手当金、育児休業給付金などの公的な給付を受けることができます。これらの給付金は非課税扱いで、配偶者控除を判断する際の収入額とは見なされません。

そのため、妻の年収額としては、産休・育休に入る前と終わった後に得た給与収入だけを合計すればよく、納税の年度内に産休や育休の期間が含まれていれば、配偶者控除を受けられる可能性が高いのです。

出産育児期には配偶者控除を受けられる可能性が大

(写真=LeManna/Shutterstock.com)

配偶者控除を受けることができれば、収入の減る時期に大きな助けになりますよね。産休や育休を迎える人は、配偶者控除や特別控除を受けることができるかどうか、まずは自分と夫の給与収入を計算してみましょう。

給与収入のみで生活していると会社が納税処理を行ってくれるので、年末調整や確定申告に無自覚になりがちです。配偶者控除が受けられることを確認したら、機会を逃さず申告して上手に節税しましょう。

文・菊池とおこ/DAILY ANDS

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