お給料はほぼ変わらないはずの同じ職場の友人。でも、彼女の銀行口座には、なぜかたっぷりとお金が貯まっているらしく、年末年始はロンドンで過ごすのだとか。一体、彼女はどうやって貯金をしているんだろう?私は全然貯金がないのに……
……と悩む方に向けて、お金の専門家であるファイナンシャル・プランナー(FP)の女性10人にアドバイスをいただきました。
今回教えてもらうのは「貯金の楽しみ方」。さて、FPたちはどんなコツを伝授してくれるでしょうか。
※2017年10月に、独立系ファイナンシャル・プランナー(独立系FP、企業のバックアップを受けず、相談料で収入を得ているFP)の女性10人に対して実施したアンケートをもとに作成しています(カッコ内は投票したFPの氏名)。
貯金を楽しむコツその1:イメージを持つ
「今日から貯金を始めよう!」と思い立ったからといって、一朝一夕に貯金が始められるものではないですよね。では、どうすれば貯金を始めることができるのでしょうか。
「(自分がお金を)使うシーンをイメージすることです」(黒須かおり)
「お金を貯める以前に、自分がどのような生活をしたいのか、今後楽しみたいのか、というイメージを持つことが大切でしょう。そのイメージを現実にするためには、今のお金を大切に使わなければいけないと思えるようになれば、貯蓄への取り組み方も違ってくるかと思います」(寺野裕子)
「なんとなく貯蓄をしていても、貯蓄が苦手な人は『何のためにお金を貯めているのだろう』と疑問になり(貯金が)続かない傾向があります。まずは『100万円貯める』など、(具体的な)目標金額を設定します。実際に貯まったときに喜びを感じられますし、貯める楽しさを実感できます」(今関倫子)
「貯金が苦手で楽しめない人は、『数字』を意識して、その数字の目標と意識をリンクさせることが第一歩です。『また目標に一歩近づいた。このままなら◯カ月後、◯年後にはあれが買える!』と考えれば、つらい貯金も少しは楽しめるようになります」(婚活FP山本)
と、将来の自分に対するイメージを持つことから始めるという、とアドバイスするFPさんが多数。
まずは、将来どのようにお金を使いたいかイメージを固めることが、楽しい貯金の第一歩。それからはじめて、今の自分がどのようにお金を使うべきかをよく考えることができるのですね。
「貯蓄するためには、収入と支出を把握し、無駄な支出がないかを見直してみることも大切です」(今関倫子)
自分が今持っているお金を全部使ってしまっていいのか。それとも、イメージ通りの将来のために今は貯金すべきなのか。いま一度、家計を見直すにしても、イメージがあるのと無いのとでは、モチベーションに大きな差が出そうです。
貯金を楽しむコツその2:貯金に名前をつける
2つ目のコツは「貯金に名前をつける」というもの。
「貯金に名前をつけるといいですよ。 なんのための貯金なのか、貯金に『名前』をつけ、期日も決めます」(黒須かおり)
貯金に名前をつけるとは、面白い発想ですよね。
「(例えば)◯月◯日から2泊3日でUSJに遊びに行こう! といった具体的な目標を立てれば、より貯蓄に熱が入るようになるかもしれません」(つじもとFP事務所・辻本ゆか)
この場合は、きっと「USJ貯金」と名前をつけるのが正解でしょうか。
貯金に名前をつけることは、1つ目のコツと同じように、モチベーションのアップにつながりそうです。
小さな楽しみの積み重ねが、長期的に見れば私たちをリッチへと導いてくれるのかもしれませんね。
貯金を楽しむコツその3:小さな目標や自分へのご褒美を決める
貯金を楽しむ3つ目のコツは「小さな目標や自分へのご褒美」です。
「大きな目標を設定してから、小さな目標をいくつも作りましょう」(阿部理恵)
「もし『100万円を貯める』という目標が大きすぎるのであれば、最初は10万円から始めて、(お金を)貯める自信と楽しさを体感してみるのも(貯金ライフの)一歩です」(今関倫子)
大きな目標は立てたものの、すぐに実現するわけではありません。そんな時、私たちのモチベーションを助けてくれるのが「小さな目標」なのです。
「マラソン方式で目標を小刻みにすることです。まずは10万円、次に15万円とステップアップしていく(と効果的です)」(黒須かおり)
小さな目標は、「自分へのご褒美」でもOK。
「例えば、海外旅行に行くために50万円貯める(という最終目標を立てたとして)、1カ月に4万円(ずつ貯金するという小さな目標を設定します)。小さな目標がクリアできたら、ケーキを食べてもいいとか自分にご褒美を」(阿部理恵)
「目標金額を達成したら、半年ごとに小さなご褒美を(自分に)買ってあげるなど、近い将来の楽しみを作っておくといいですよ」(匿名)
「貯金が苦手な人ほど、目標には『旅行やブランド品、趣味の品など、具体的かつ比較的払いやすいお値段のもの』を選ぶとよいでしょう」(婚活FP山本)
最終目標が100万円でも1億円でも、そこにたどり着くまでの道のりは、どちらも変わらず一歩ずつ。ですから、目標とご褒美、これが貯金成功のポイントですね。
貯金を楽しむコツその4:お金が増えるのを見る
4つ目のコツは「お金が増えるのを見る」です。
「月末のたびに残高を見て、ニヤニヤしましょう!」(婚活FP山本)
「通帳の数字が少しずつ膨らんでいくのを見るだけでワクワクする」というような、数字に喜びを感じられるタイプの人にはこのアドバイスが最も有効かもしれませんね。「実は私、こんなに貯金があるんだよね~(秘密だけど!)」とほくそ笑む。そんなシチュエーションでしょうか。
数字好きな人なら、貯金管理に家計簿アプリを活用するのもオススメとアドバイスしてくれたFPもいました。
「まず先取り貯金を行い、残りのお金で無理なく生活する習慣を作る(のも一つの方法です)。家計簿アプリに貯金用口座を登録しましょう。お金が増えていくのを見ることで、やる気アップにつながります」(匿名)
貯金を楽しむコツその5:500円玉貯金をする
でも、「数字だけでニヤニヤなんてできないし……」という人はどうしたらいいの?と思った人には、500円玉貯金がおすすめというFPさんも。
「楽しいのは500円玉貯金。オススメです」(深川美幸/資産運用/40代)
「物理的な快感を得るのがもっとも効果的だと思うので、500円玉、5000円札貯金をオススメします」(佐々木愛子)
なるほど。楽しく、そして物理的な快感を得られるのが、500円玉貯金や5000円札貯金だというのですね。でも、どうして続けられるのでしょう。
「(普段から)500円玉、5000円札を作ろうという行動が伴うため、(貯金していることを)忘れないでいられます。『貯金をしている!』という自覚(が貯金を継続させ)、継続できれば自信につながる。(その結果、貯金を)楽しめるようになりますよ」(佐々木愛子)
「買い物で500円のおつりが出るように支払いをしていたら、気がつけば数万円貯まっていた! なんてこともあってうれしいですよ」(深川美幸)
数字が苦手なタイプの人が貯金を楽しむには、物理的な快感が得られることがポイント。貯金をするための行動が伴うと続けやすいようです。楽しみながら行動していただけなのに、「いつの間にかこんなにも貯金できている!」となれば、こんなにうれしいことはないですよね。
貯金を楽しむコツその6:リバウンド防止策を講じる
貯金は楽しいと思えるようになっても、実は怖いのは「リバウンド」だとFPさんは指摘します。リバウンドを防ぐために、何かいい手はありますか?
「『買ったつもり貯金』はどうでしょう。いつも買うコンビニのコーヒーをやめてマイボトルを持参。それで浮いた150円が『つもり貯金』できます。楽しみながらできる方法から始めてみましょう」(稲村優貴子)
リバウンド防止の対策を練っておくのも、貯金を継続させるコツなのですね。
- 無理にがんばりすぎない
- 小さな目標を目指して努力する
貯金成功の極意は、この2つを実践してプチ達成感を味わいつつ、一歩一歩前進していくことなんですね。
ストレスフリーで「貯金を楽しむ」のがコツ
FPの皆さんが教えてくれた「貯金を楽しむコツ」は以下の通りです。
- イメージを持つ
- 貯金に名前をつける
- 小さな目標や自分へのご褒美を決める
- お金が増えるのを見る
- 500円玉貯金をする
リバウンド防止策を講じる あなたの楽しい貯金ライフもきっとすぐそこに。ストレスフリーで楽しみながら、しっかりお金を貯めましょう!
文・林 立恵/DAILY ANDS
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