大自然が広がる山深い南部へ

五條市南部

自宅で旅行気分!奈良県の観光地をぐるっと巡ろう
(画像=ゆきたか トリップノートより引用)

五條市の中心市街からは、国道168号線を南下して西吉野町、大塔町(おおとうちょう)へ向かいます。これらの地域は、もともと吉野郡の村でしたが、平成の大合併で五條市に編入されました。

西吉野町の賀名生(あのう)地区を、少し散策してみましょう。ここは、南北朝の時代に、後村上天皇から三代にわたって南朝の宮が置かれていた場所です。集落の北西にある賀名生皇居跡は、京の都を追われて吉野に入った後醍醐天皇が立ち寄った住居で、その後皇居としても使われていました。現在は、レストランが営業しています。賀名生皇居跡のすぐそばには、南朝の歴史について学べる「賀名生の里歴史民俗資料館」もあります。

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(画像=ゆきたか トリップノートより引用)

次は、梅の花でも鑑賞してみましょう。西吉野町は、古くから梅の生産がさかんな地域ですが、賀名生地区には、約2万本もの梅が植えられており、毎年3月中旬頃には白い梅の花が一斉に咲くことで知られます。

観光客からは賀名生梅林と呼ばれて親しまれており、花のシーズンには農家の方々が梅干しなどの加工品を販売したり、民家で梅酒、梅ドリンクなどを提供していることもあります。臨時駐車場に車を停めて、ゆっくりと散策してみてください。

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(画像=ゆきたか トリップノートより引用)

それでは、さらに国道168号線を南下しましょう。次第に山深くなっていき、長いトンネルも時折現れます。

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(画像=ゆきたか トリップノートより引用)

川の水も美しく澄んでいますね。この川は、五條市中心部で吉野川に注ぐ丹生川(にうがわ)です。国道は、しばらくこの川に沿って南に進んでゆきます。

やがて道路は急な坂道を登り、峠へと差し掛かります。ここは、天辻峠(てんつじとうげ)と呼ばれており、古くから交通の難所でした。現在では2車線の道路で比較的走りやすいですが、標高が高いため、冬には雪が積もることも多いです。このあたりから大塔町に入ります。

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(画像=ゆきたか トリップノートより引用)

こちらの峠には、道の駅「吉野路大塔」があります。メインの建物には、休憩スペースやトイレ、地元特産品を販売する売店があり、山道を走ってきた観光客が一息つく姿が見られます。

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(画像=ゆきたか トリップノートより引用)

また、隣接の「大塔コスミックパーク 星のくに」は、宿泊施設や天文台、バンガロー、バーベキューハウスなどを備えるレジャースポットとして親しまれています。宿泊して大塔町の美しい星空を眺めたり、プラネタリウムを楽しむこともできますよ。

十津川村(とつかわむら)

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(画像=ゆきたか トリップノートより引用)

さらに国道168号線を南下し、奈良県最南端の十津川村に入りました。面積は672平方キロメートルもあり、これは国内の村では最大(※北方領土の村を除く)です。東京23区よりも広いですが、人口は約3,000人と少なく、地形も険しいことから、古くから日本の秘境と言われてきました。

十津川村北部の観光スポットとして有名なのは、谷瀬の吊り橋(たにぜのつりばし)です。国道のある上野地(うえのじ)から谷瀬の集落を結ぶために昭和29年(1954年)に架けられた、生活用の吊り橋で、長さは297メートル、高さは54メートルもあります。

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(画像=ゆきたか トリップノートより引用)

橋の中央部まで来るとかなりの高さで、下の河原も良く見えるため、足がすくむ人も多いです。筆者は昔から何度も渡っているため慣れていますが、風の強い日には良く揺れるため、やはり怖いものです。しかし、吊り橋から見る澄んだ川や緑あふれる景色は美しいもので、人が少なければじっくりと眺めたいものです。

吊り橋を出発し、さらに進みましょう。クネクネとした道が続きますが、時折見えるダム湖や川は、エメラルドグリーンに輝いています。

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(画像=PIXTA トリップノートより引用)

十津川村役場のある中央部から南部にかけては、湯泉地(とうせんじ)、十津川、上湯(かみゆ)という温泉地が続きます。これらを十津川温泉郷と呼んでいますが、村内の旅館や公衆浴場は、温泉の湯を再利用しない「源泉掛け流し」方式とすることを全国で初めて宣言しているため、良質な湯を求める観光客に人気です。

一番北にある湯泉地温泉は、単純硫黄泉で、硫黄の香り漂う透明の湯が心地よいです。十津川温泉は、十津川温泉郷の中でもっとも多くの商店や旅館、民家が立ち並び、ダム湖に面しているので景色が良いです。十津川の支流にある上湯温泉は、河原に面した露天風呂もあり、秘境ムードは満点です。

下北山村から川上村

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(画像=PIXTA トリップノートより引用)

ここからは、十津川村の東隣の下北山村です。和歌山県の飛び地の北山村、三重県熊野市に隣接しており、奈良県でありながら和歌山や三重との結び付きが強い地域です。人口は約800人と少ないです。

主要な観光スポットは、池原ダムの堰堤下に作られた、きなりの郷 下北山スポーツ公園です。広い敷地には、温泉・レストラン施設の「きなりの湯」、宿泊施設、キャンプ場、多目的グラウンドなどもあり、大自然の中でのびのびと過ごせます。筆者は一度だけ春に訪れたことがありますが、桜がたくさん咲いており、とても美しかったです。お祭りも開催され、多数のお店も出ていましたよ。

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(画像=ゆきたか トリップノートより引用)

国道169号線を北上し、川上村に入りました。この村は、面積の約95%が山林となっており、古くから奈良県吉野地域の林業の中心地でした。また、奈良県広域に農業用水、飲料水を供給している吉野川の源流となっており、村内にも大滝、大迫の二つのダムが造られています。

ダム湖を眺めながら車を走らせると、役場のある迫地区に着きました。こちらには、道の駅「杉の湯川上」があり、ドライブ途中に休憩するのに適しています。

特産品コーナーでは、かきもち、アマゴ甘露煮、割り箸のほか、吉野葛を使った菓子などのお土産も販売されています。また、隣の麺コーナーでは、美味しいうどん、そばがいただけます。奈良名物の柿の葉寿司もあるので、一緒に味わいましょう。

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(画像=ゆきたか トリップノートより引用)

道の駅には、ホテルも併設されているので、宿泊もできます。ホテル杉の湯は、川上村の美しい景色を望む場所に立地する、設備の整った宿泊施設です。温泉大浴場は、日帰り入浴(大人700円、小人400円)も可能です。

せっかくですから、温泉に入ってみましょう。受付で日帰り入浴であることを伝え、大浴場へ向かいます。着替えてから扉を開けると、高野槙(こうやまき)でできた浴槽に、なみなみと無色透明の湯が注がれています。クセのない湯で、すべすべ感はあまりありませんが、体がじんわりと温まってきます。

露天風呂は、岩風呂と高野槙の浴槽があります。筆者が利用したときは岩風呂でしたが、ダム湖からの風が心地よく、リラックスして入浴できましたよ。

吉野町

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(画像=ゆきたか トリップノートより引用)

川上村から北上し、吉野町に入りました。県内でも有数の水量を誇る吉野川沿いにある静かな町です。この町にある吉野山は、春には一面に桜が咲くことで知られています。

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(画像=PIXTA トリップノートより引用)

近鉄吉野駅からロープウェイに約3分乗り、しばらく急な坂道を登ると、吉野山の街に出ます。金峯山寺(きんぷせんじ)という大きなお寺の周辺には、旅館や飲食店、柿の葉寿司、伝統的な胃腸薬の陀羅尼助(だらにすけ)を販売するお店が軒を連ねます。筆者も散策してみましたが、景色の良いカフェなどもあり、楽しかったですよ。